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読書感想文「名探偵の掟(東野圭吾)」

「名探偵の掟」の読書感想文

名探偵の掟は、単なる探偵ものの小説ではなく、劇中の探偵とはこうあるべき、刑事とはこうあるべき、犯人とはこうあるべきをパロディチックに書いた作品である。名探偵の「天下一」は自身が名探偵という小説の人物であると把握しており、刑事の「大河原」も自身が小説の人物であると把握しているのだ。

それゆえ、事件がおこるから、刑事が来るから始まり、適当に捜査して「手に終えんぞ」と言う掛け声とともに探偵が登場するという一連の流れに二人がツッコミをいれるという作品の流れである。この時刑事は、犯人をいち早く、探偵よりも先に把握しなければならない。

なぜなら、犯人を選ばないように探偵が来るまで迷宮入りにしなければならないからだ。名探偵もいかに古典的な密室事件であっても解かなければならない。私は、彼らが掟という探偵モノあるあるのルールを把握し、いかに苦労して事件を解決しているのかを小説を読んで、探偵物の小説も読者に矛盾を生じさせないように作者が苦労をしているのだなと同情した。

特に驚いたのが、最後の結末だ。密室事件、アリバイ工作、消えた凶器など様々な探偵あるあるを読んで、最終回前の話があった際に、刑事が犯人になるという定番を大河原が自らわかっていながらなるというシーンは驚いた。

最終回あるあるの主人公が死ぬという結末にも、これまでのパロディとは落差があって驚いた。次回作の名探偵の束縛もぜひ読んでみたいと感じた。

(30代男性)

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