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読書感想文「クリムゾンの迷宮(貴志祐介)」

「クリムゾンの迷宮」の読書感想文

おとぎ話には、恐ろしい鬼や、化け物が描かれたものがよくあるが、所詮空想上のものである。では、これらを生んだのは何なのだろう。まごうことはない、「人間」である。人間は誰しも、大なり小なり心の中に鬼を宿しているのである。

個人的は、そんなメッセージを受け取ったと感じた作品であった。貴志祐介の「クリムゾンの迷宮」の内容としては、何も知らない人間たちが、謎の場所で繰り広げる生き残りをかけたサバイバルデスゲームのお話で題材としてもゲームやアニメ、映画好きにとって魅力的である。

駆け引き、戦闘、アイテムやマップなどの飽きさせない要素も豊富で個人的にはかなり好きな系統だと感じた。このゲームには鬼や化け物は存在していない、あくまでも存在するのは人間のみ。

しかし、この世の中において、その人間こそが最も恐ろしいものだということを思い知らせるかのように、たった少しの要素を加えただけで豹変してゆく人間の様がなんとも恐ろしく、文章だけでも鳥肌がたったと同時にページをめくる手がとまらなかった。

人間が人間を食らうために人間を追い回すのである。初めから、猟奇的殺人犯の気質があるというわけでもない普通の人間がだ。こういった場面はややショッキングなシーンとなっていたが、そこがいい。

さて、ここまではあくまでゲームの中の人間の話である。そう、これはゲームである。つまり、主催者がいるという事だ。私個人的には、本当におそろしいのは主催者だ。なんてありきたりなことを思ったが、とんでもない。

このゲームの一部始終を見て、楽しんいでいたものが一番近くにいるではないか。そう、読者もまた、人間である。そんな風に、読んだ後もしっかりと後味の残る。自分が、もしこのゲームに巻き込まれたらどう立ち回るだろうか、読みながら一緒にゲームに参加してみるのも面白いかもしれない。

(20代男性)

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