読書感想文「青の炎(貴志祐介)」

高校生の主人公が、次々に殺人を犯していくことに葛藤する姿がとても読んでて考えさせられた。大切な人を守るために決行した殺人が、いつしか殺人を隠すための殺人になっていってしまうのである。殺人を重ねることで、平和な周囲の人間と距離を置くようになる主人公には、大切な思い人や家族がいるのだが、そんな主人公に異変を感じるようになる。彼女達が差し伸べようとする手を主人公はとっていいのか、拒絶するべきなのかとその選択肢に揺れてしまう。助けを求め全てを話してしまえば、彼女達は味方になってくれる。だが、それでは彼女達を守るために行った殺人が無意味になってしまう。話をするということは共犯にしてしまうということだからだ。殺人の罪の意識と警察のにじり寄る操作の手から、主人公の精神はギリギリまで追い込まれてしまう。自分はここまで読んでて、自分がもし主人公だったらどうするだろうかと深く考えさせれた。もし現実に自分の身に起こったら、だいたいの人間が他人の助けを借りようとするのではないだろうか。だが、この主人公の取った行動はそれとは正反対のものだった。最初から、殺人者である彼の中には自分なりの「正義」がある。そもそも彼が殺人を犯した経緯は家族を守るというのが根本にあった。助けを求めるということは、家族を守ると心に決めて犯した殺人の罪を、その家族に背負わせることになる。彼は葛藤と言う己の弱さに惑わされず、ある決断へとせまっていく。当時これを読んだのが主人公と同学年だったのもあり、物語に深くのめりこんでしまった。主人公の作中での憎悪や葛藤の感情はとても印象深く、いまだに心に強く残っている作品だ。何かを大切な決断する時に人は、もろくなったり葛藤したりする時もあるだろう。その時に、判断を間違わないように、自分の目的はなんなのかということに立ち返る大切さを学んだ。所詮創作のお話じゃないかと思う人もいるかもしれないが、創作でも何かを考えるきっかけになったということはとても意味のあることではないか。少なくとも私にとっては物事を考えるきっかけになったのである。

 

(20代女性)

 

 

 

 

この本を読んで感じたこと、思ったことは、人間のクズを法的に裁けない場合、人間のクズには法的手段以外になんらかの制裁を与えるべきだと深く共感したことである。そして、主人公の櫛森秀一の孤独な戦いを見ていてすごく感動したし、尊敬の念すら覚えたほどである。もし自分が主人公と同じ立場で完全犯罪を成し遂げる知識があったら、同じ事をしたかもしれないと思う所だ。母親の元夫や友人を殺害する緻密な計画を立てる姿は感動の一言である。酒癖が悪く、家族に暴力や暴言を吐き続けていた母親の元夫を殺害する時には司法解剖された時にも殺人だとバレないように法医学の本を読み漁ったりして涙ぐましい努力をしている場面が出てくるが、これには非常に感心したものである。彼が不幸な家庭環境になかったら、別の方面で努力をしてきっと成功していたに違いないと思った。物語の中で殺人計画を立てている時の葛藤や焦り、迷いが所々に書かれているのを見て、読んでいるこっちがドキドキして鼓動が早くなったこともありすごくどきどきしたものであ。主人公の普段の何気ない学校生活、殺人に関する記述、主人公を好いているクラスメイトの紀子とのキスシーンや2人っきりの甘い場面等ギャップがあるため、すごく胸が締め付けられる思いになって何度もなきそうになったものだ。櫛森秀一のような高校生が現実世界にいたとして、自分の身近にいたとしたら仲良くしたいと思ったものだ。彼は世間的に見れば完全に犯罪者ではあるが、家庭の複雑な事情や家庭を守ることを考えると、自分の母親の元夫を手にかけた事は仕方のないことなのだ。そして、主人公が人を殺めた事を知った友人が主人公を脅して金を揺すった事がきっかけでその友人が主人公に殺されてしまった事も殺された側の自業自得だと思った。とにかく読み勧めて行く内に主人公に共感をしてどんどんすきになった。法医学に関する知識やダミーのナイフを本物そっくりに作り上げるまでの苦悩や努力する姿には本当に感心した。

 

(20代男性)

 

 

 

 

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