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読書感想文「名探偵の呪縛(東野圭吾)」

「名探偵の呪縛」の読書感想文

名探偵の呪縛は、1作品目の「名探偵の掟」の続編である。主人公はとある小説家で、図書館へ作品の参考がてらに資料を集めに来たとこから物語は始まる。図書館で迷子になり、見知らぬ世界に来た主人公は、自分の見た目が変わっていることに気がつく、その姿はかつて「名探偵の掟」の主人公であった天下一の姿であった。

その世界では本格ミステリーのようなものは存在せず、「名探偵の掟」のようなミステリーの定番というものはないという内容だったが、なぜか本格ミステリーにちなんだ事件が身の回りで起こり始める。

名探偵「天下一」となった主人公は次々と事件を解決していくもどこか寂しげな雰囲気が前作のギャグ要素のある話と比べて印象的でした。やがて事件はとある本格ミステリーの本がこの世界に来たことではじまった悲劇であることがわかり、今までの犯人はこの本を参考に事件を起こしていたことがわかる。

その本とは前作の「名探偵の掟」であった。冒頭で白骨死体があった場所にその本はあったとのこと、つまり本を持っていた白骨死体がこの事件の引き金になったのだ。その白骨死体とは前作の最終話で死亡した「天下一」であった。

そして小説家は自分が何者であったか、思い出す。実はこの小説家の正体は「東野圭吾」であったです。かつて自ら執筆し、殺してしまった「天下一」その物語の残骸がこのお話だったのだ。元の世界に戻る主人公は、執筆を始める。もう一度本格推理の世界を書こうと筆を進めた。 

この話を読んで、私はとてもどこか希望的な終わり方がとても気に入った。まさか作者本人が主役のお話だとは思わなかったし、前作の件もありましたから、この作品はパロディー要素が強いギャグ小説だと思っていました。

読み進めるとまったくそういうことはなく、むしろ真面目でどこか寂しいお話で、読み終わったあとでもう一度「名探偵の掟」と「名探偵の束縛」を読み直してみようかと考えてしまうようなそういう作品でした。

(30代男性)

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