「ナミヤ雑貨店の奇蹟」の読書感想文①
自分の行動が思わぬところで人に影響を与えているかもしれない。この本を読み終えた時の、最初の感想だ。この作品の舞台は、廃業した、今は誰も住んでいない雑貨店である。そこに忍び込んだ3人の少年が不思議な体験をするファンタジーである。
確かに設定はファンタジーだが、内容はとても現実味がある作品だ。第1章~第5章で構成されていて、各章の話は独立しているが、全て繋がっている。全ては第5章への伏線である。
私は、第2章で涙を流さずにはいられなかった。第2章の主人公は、松岡克郎。東京でプロのミュージシャンを目指している人物だ。彼は、ミュージシャンとしてなかなか芽が出ず、家族からも実家の魚屋を継ぐように言われている。
しかし、父親だけは表には出さなくても、克郎を応援してくれていた。それから8年が過ぎ、有名になることはできなかったが、児童養護施設で演奏するなどの音楽活動は続けていた。
彼には、自分が作曲した「再生」いう曲がある。ある日児童養護施設「丸光園」に行き、そこで「再生」を披露した。「再生」を披露した後、「再生」を気に入ったセリという少女が、克郎の元へ「再生」はいい曲だと言いに来る。
その夜、丸光園で火事が起こり、セリの弟が取り残される。克郎はセリの弟を助けに行くが、代わりに亡くなってしまう。それから長い年月が過ぎ、ある希代の天才女性アーティストが数万人を動員する自身のライブである曲を披露する。
「この曲を作った人は、弟の命の恩人です」この曲を歌うことが「私にできる唯一の恩返し」だと。その曲は、「再生」。そして、そのアーティストこそが、セリである。
自分がアーティストとして世に出ることはなかったが、自分が作った曲が世に出た克郎は、幸福だったのか不幸だったのか。夢は叶ったといえるのか。
これは個人の考えによるが、少なくとも「自分の生きた証」は残った。それが、まず私の心に深く刺さった。火事が起こっていなかったら、セリの弟の身代わりになって死ななかったら、「再生」が世に出ることはなかったかもしれない。
そんな切なさがある。そして、セリの恩返し。自分の弟を守ってくれた克郎にできる唯一の恩返しは、彼が作った曲を世に出すこと。伝えること。彼の代わりに。人生、何が起きるか分からない。でも、自分を信じて前を向いていれば、何らかの形で報われることがあるかもしれない。
第2章を読んで、そう感じた。第2章だけではない。この作品全体が、そう思わせてくれるのだ。数々の選択を経て、自分の人生が転がっていく、その様を、この作品は見せてくれる。
第5章で、全てが繋がるその瞬間の何とも言えない爽快さと胸を締めつけられるような切なさを、多くの人に感じてほしい。
一見、短編集の様にも見えるこの作品だが、全ては1本の線で繋がっている。その各章に登場する人物の間にある「線」が見どころではないだろうか。1人1人の生き様が、心に沁みる。
(20代女性)
私は、とある小学生ですが、
とても面白い作品だなぁと思いました!
何事も他人ではなく、自分自身で決める。それを強く感じた
初めて「ぜひ読んで見て、面白いから」と他人に言えたのはこの作品が初めてです。様々な人生を時空を超えて繋げるというこの試みは素晴らしいものだと思います。
涼介が主演で映画やるってなってから速攻読んだ!!!実写化してリア友cと映画観に行く予定やからむっちゃ楽しみやねん!!!
JCのうちも学校でやってる朝の読書の時間でパパッと読めたで!!!
面白い作品だと思った
3人の一生懸命回答を書く姿に感動しました!
私もこの本を読んで本当に心に染みる内容でした。