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読書感想文「クスノキの番人(東野圭吾)」

「クスノキの番人」の読書感想文

私がこの本を手にとったのは、本当に偶然でした。東野圭吾先生の作品は年に1~2作品ほど読むのですが、本当になんとなくコンビニに行って単行本コーナーを見てみるとタイトルがやけに印象に残って即購入に至りました。当然内容なども全くわからずに購入しました。 

物語のあらすじは、裕福に育ってこなかった20代頃の若者(主人公)がとある事情で職場と揉め警察に捕まってしまい、拘置所に入ってしまいます。そこになぞの弁護士が突如現れ、出してくれるといいます。

弁護士は出所に際しある条件を提示し「依頼主の事は今は話せない、出るかどうか自分(主人公)で判断しなさい」と話し、主人公はコインの裏表で決めてしまい、怪しみながらも条件をのみ出所します。

そして弁護士の依頼主である人物のもとに連れてこられた主人公ですが、そこで依頼主の女性からいきなり「クスノキの番人になってください」と言われ、それを訳もわからないまま渋々了承する所から物語が始まります。 

主な登場人物としては、主人公は前述の通りのクスノキの番人として働く若者です。依頼主の女性は実は大手ホテルグループの元経営者で、主人公と深い関わりがある人物でした。そしてクスノキにこっそり祈念に来ていた父親のあとをこれまたこっそりついてきた謎の女性(大学生)と知り合います。 

この3名が主な登場人物となり、物語はクスノキに「祈念(お祈りのようなもの)」をしにくる人々が何をしているのか、祈念にはどのような効果があるのか解明していく事になります。 「クスノキへの祈念」は、ただのお祈りのようなものではなく、実は超常的な現象が起こります。

私はミステリー系での「超常現象」は苦手で世界観が損なわれてしまわないかと不安になりましたが、「クスノキの能力」はあくまで物語の本筋をかき回すのではなく、良いスパイスとしてできており、むしろクスノキの謎が解明されてから一気に最後まで読んでしまいました。 

物語の冒頭拘置所から出るかどうか、コインで自分の人生を決めてしまっていた様な主人公が様々な出会いを経て、どんどん成長していき最後には恩人の思いを伝えるために、懸命に「大人達」に訴える場面は正直シンプルに感動しました。 

作品としては若干のファンタジー要素はあったものの、あくまで主人公の精神的成長を描いた形で、東野圭吾先生の作品の中ではあっさりした印象を受けた作品でしたが、さすがに面白く一気読みでした。 

成長、恋愛、家族愛、そして恩人に対する深い愛情など、様々な登場人物が出てくる中でそれぞれの「願い」を上手くクスノキを介して表現している内容で、次回の「クスノキの番人シリーズ続編」にも期待がもてる作品になりました。

(30代男性)

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