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読書感想文「同志少女よ、敵を撃て(逢坂冬馬)」

「同志少女よ、敵を撃て」の読書感想文

この作品と始めて出会ったとき、本の表紙の少女の絵に強く惹かれたことを印象的によく覚えている。レコードやCDのジャケット買いなどは昔やったことがあったが、本の表紙の絵に惹かれて、中身も吟味せずに、本を買ってしまったことは、後にも先にもこの本が始めてだった。

結論から言うと、買って正解の作品でした。お値段以上の価値があって良かったと思った。主人公である目力のある少女スナイパーが描かれた表紙の素晴らしさが作品の完成度の高さを妙実に表現していると感じた。

ロシアのウクライナ侵攻のこの現実世界とのクロスする部分も大いに感じられた。地球上のどこかで、こんな美しい少女がスナイパー銃をにぎって、戦争に明け暮れているのかも知れないと考えると、日本という国の安全・安心の有難さを思い知らされた。

作品自体は、安っぽく戦争の悲惨さをうったえるのではなく、一少女の一生を通して、人生(戦争)そのものを考えさせられる作品だった。ロシアの冬って寒そうだな、夏に読むにはもってこいの作品ともいえるなぁと感じた。

登場人物のなかで、一番強烈な印象を受けたのが、鬼軍曹のイメージのイリーナ教官である。大好きなキャラクターの一人である。ドイツ軍に自分の故郷を焼かれ、母親をドイツ兵スナイパーに打ち殺された主人公セラフィマに、教官はこう問う。

「戦いたいか?死にたいか?」作品中のセリフながら、日本語で書かれたこの書物は、平和ボケした日本人の一人である自分自身の頭をおおいにぶん殴ってくれた。それほどの衝撃を受けた。中国に国境を脅かされている我々日本人にも、突きつけられているセリフ(言葉)だと感じた。

それから、グイグイと作品の中に引き込まれていった。過酷な射撃訓練の流れも、主人公を応援したい気持ちとともに集中して読んでいた。戦争小説・歴史小説・エンターテイメント小説、どの側面から見ても超一流の傑作小説と言える。こんな作品に出会えるから、本屋さんめぐりはやめられない。

(50代男性)

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