「発達障害サバイバルガイド 「あたりまえ」がやれない僕らがどうにか生きていくコツ47」の読書感想文
私がこの本を読もうと思ったきっかけは発達障害に関する理解を深めたいと思い、発達障害関連の書籍を調べていた際に見かけたからである。その時は専門書のような、どちらかというと理論的な本を読もうと考えていたが、一冊程度は発達障害を抱える人が執筆した本を読み、実際に発達障害の人がどんな世界をみて生きているのか知ってみようと考え購入したのである。
まず本を開いてみて最初に驚いた。なぜなら、最初から読むことを推奨するのではなく今「うつの底」にいる人に向けて書いた章への誘導文が書かれていたのだ。著者はADHD(注意欠陥多動性障害)と診断され、発達障害とともに生きてきた人物である。
その人生経験の中で、自身も「うつの底」に落ちた経験があり、過去の自分と同じ立場にいる人達に向けて文章を書き、そこへ誘導するという読者目線に立った章立てに、著者が真に発達障害に悩む人達の役に立ちたいという思いを感じ取ることができた。
この本は発達障害者向けのただのライフハック本ではなく、著者なりの発達障害を抱えながら生きる人に向けたエールなのだ。しかし、気持ちにばかり寄り添ってライフハックとして役に立たない本ではない。
むしろチャプターごとに分けられた47のライフハックは一般的な発達障害者に言われているようなものではなく、著者自身が生きてきた中でいろんな失敗をして、そのたびに工夫を重ねてより良く、より楽しく生きるために編み出した生活の知恵なのだ。
例えば、ADHDの特性として不注意によりなくしものが多いことが挙げられるが、その対策としてキーファインダーが紹介されている。しかし、この本の良い点はキーファインダーのリモコンをなくしてしまうことがあるという実体験に即した問題を挙げた上でその対策として机に固定しておくという解決法が記載されている点にある。
紹介されている全てのライフハックが万人に向いているわけではないが、本当に生活で使えるライフハックを探しているという人は一読する価値がある本だと私は考えている。
(20代女性)
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