「レイクサイド」の読書感想文
レイクサイドは東野圭吾の作品の割にはページ数が少ないほうだ。レイクサイドの内容は中学受験を迎えた親子5組が別荘で勉強会をしている中、殺人事件が起こるという話である。読んでいて思った事は、まず中学受験の為に勉強会をやるというのが、設定として面白いと思った。
その中で起こる殺人事件であるから子供達には悟られない様にする大人たちの行動は面白くもあり、必死に子供を守ろうとする親の感情がよく出ている。
殺されたのは主人公の部下の若い女性だ。殺したのは主人公の奥さんと最初の設定はなっている。結果は違うが最初の設定は奥さんが犯人という事だ。
動機は主人公と殺された若い女が浮気をしていると思ってしまい、衝動的に殺してしまったのである。その事を他の大人たちは結託して隠蔽しようとする。
隠蔽する理由も話の終盤でわかるが、本当の理由は子供達の中に犯人がいるので大人たちは隠蔽しようと必死である。読んでいてこの理由を知った時はさすがにすこし怖さを感じた。
まさか子供達の中に犯人がいるとは思っていなかったからだ。私の予想は大人たちの誰が殺したのかを推理しながら読んでいたからだ。なので予想外すぎた。
なぜ子供達の中にいるのかが分かったのかというと、新たに分かった殺害された現場の状況などから子供達だと分かったのである。しかしどの子供なのかは断定でない。
というよりも断定する事をしなかったのだ。断定してしまうと、もしかして我が子かも知れないからである。ここで大人たちの結託した本当の理由が明らかになる。
私はこの理由を知った時は、親というものは殺人事件を、隠蔽するまで我が子を思うものなのかと少しストーリーに疑問を感じたが、現実の世界でもありえなくはないかなとも思った。
最後は主人公の子供が恐らく犯人であろうと推測させる様な書き方をしていたので、その主人公の哀しいやりきれない思いが伝わってきた。レイクサイドを読み終わってすごく切なかった。
主人公が最後我が子かもしれないと悟った所で話が終わってしまうので同情心も湧く事もあった。私にとって思い出に残る一冊だ。
(30代男性)
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