「カエルの楽園」の読書感想文①
今までの百田氏の作品は、「海賊と呼ばれた男」や「モンスター」などジャンルを問わず読んできたが、尊いメッセージ性があるいわゆるヒーローものが多かったように思う。それらは登場者を取り巻く数人の人間性をベースに作られた物語であった。本書に関してはカエルの小さな世界を通し、第二次世界大戦以後の世界情勢(特に我が国を含む東アジアの関係)を明確に且つわかりやすく表現されている。
本書の中で特に感じたのは、デイブレイクを初めとする確認も取れない「自虐史観」を自身が本当に知っているかのように説いてまわり、人々を洗脳していく者たちの「悪」である。社会の最小単位は「家族」であり、国から世界へと身近なところから順に形成していくのが当然で、隣人より家族、世界より日本が優先であるのが当然であり、家族や国が成立していかなければ、近所や近隣諸国にも貢献できないのは容易に想像できるところである。
しかし、本書にあるように近隣諸国の国民が、我が国の国民と外見が近いことを生かし、幼い子供に自虐史観を植え付け罪悪感を感じさせ続けることで骨抜きにし、自身が優位に立とうとする「裏技」をつかっているまさに現代の日本が置かれている状況以外の何物でもなく、許すことはできない。これ等を防ぐには、多くの有志が反対運動などを行っているが、「ヘイト・差別」と被害者商売の得意な彼らの前では効果はあるものの有志へのダメージも多少なりとも発生してしまう。
教育が長期的なダメージの根本になっている現状を鑑みると、やはり現実を知ることや知ろうとするきっかけを作っていくことが非常に大切である。我が子が家族や国を愛する人間に育つため、ひいては我が国が世界に貢献できるようになるために、そのための最初の一冊になる本だと思う。
(40代男性)
「カエルの楽園」の読書感想文②
私が『カエルの楽園』を読み終えた時最初に感じた事は、凄い作品と出会ってしまったであった。何故ならば、この作品を読むきっかけは、読書好きの方から「いろんな意味で凄い物語だから、読む価値あるよ」と勧められたからだった。実は以前作者の作品で、『輝く夜』というクリスマスに起こる泣ける奇跡のハッピーエンドストーリーの短編を読んでいた。
そのため、この作品も タイトルが『カエルの楽園』と童話風であるから、きっと心温まる優しい物語なのだと勝手に思い込み勧められるまま読んでみた。ところが、読み終えてみたら私にこの作品を「凄い物語」という勧めてくれた方の想いが理解できてしまい、ショックを受けた。童話風に描かれているが、実は日本を取り巻く環境を風刺した物語に感じて怖くなった。この作品は、争いの無い穏やかに暮らせる住処を求めて旅に出た2匹のカエルの目線で物語は展開されていく。
旅をしていく中で敵に襲われたり、仲間を失ったりとショッキングなシーンもあり心が痛んだ。確かにこれが生き物の世界で、弱肉強食だから仕方のない事であるが、やはりリアルに何度も目に浮かんでしまうように描かれていると読んでいて正直しんどかった。それでも希望を捨てず夢の楽園を求めて旅を続けたところ、やっと理想郷のようなツチガエルの国【ナパージュ】にたどり着いた。
私は、理想郷に例えられている【ナパージュ】は、日本を意味していて、この国の教え”三戒”も、”非核三原則”とも第9条の自衛隊の活動範囲の検討、北朝鮮や中国(ウシガエルのこと?)の脅威、またはアメリカによる米軍配備の核の傘などで、日本が守られていることへの警鐘かもしれないと感じた。私には、平和ボケしている日本とナパージュがシンクロして見えて、活字の力・ペンの持つ強さを感じた。
そしてこの日本にも、ソクラテスのような国を先導していく者の行動に関心を持つ必要性を強く感じた。でも、ソクラテスはずーっと傍観者でしかない。いくら種族が違えども声を上げ異議を唱えることも必要なのではないのかとも思う。
(40代女性)
「カエルの楽園」の読書感想文③
この本、読み進んで解釈していくうちにどんどん面白くなっていく。まさに、今の日本をカエルの国で表現しているから。憲法9条改正問題や、近隣諸国、中国(ウシガエル)や韓国・北朝鮮(エンエン)との関係や、米軍基地の問題など。すべてカエルの世界を通して表現されていて感心してしまった。
平和な国ナパージュ(Napaj 逆に読むとJapan)に住む 三戒を信じて疑わないカエル達。平和ボケしていて、近隣のカエル達が自分たちの島に上がってこようとしても、きっと迷い込んでしまったんだ、争いに来たわけがない、と信じつつづける。全ては三戒があるから。カエルを信じろ、カエルと争うな、争う力を持つな、正に日本の現状ではないか。
そして、以前、刃向かった為にコテンパンにやっつけらて、そこからナパージュい居座り続けることを許している スチームボート様(米軍)。でもスチームボート様がいるから、ナパージュは安全と信じて安心しきっているカエル達。スチームボートが、ナパージュを守るけれど、もしウシガエルや他のカエル達と戦うことになれば、ナパージュも一緒に戦うようにと要請しますが拒否し、スチームボートに見放されてしまい、その後は見るも無残なことになる。
やはり、スチームボート様がいてくれたから、ウシガエルやエンエンから守られていたのね。ナパージュの若いカエル達の、戦いたくない!と言う主張、正に今の若者達そのまま。もちろん戦争は何があってもいけないこと、でも自分達の国を守る意思や気力さえもないのは情けない。筆者もカエルの一匹として登場している。
筆者が皮肉っている日本の現状を、今の若者達に是非読んでほしい。いや、若者だけでなく全ての日本人が読むべき。本当に憲法9条を改正したら戦争が起きてしまうのか…2度と同じ過ちを繰り返さない為には、改正しない方がいいのか、人それぞれ意見は違うと思うが、この本を通してもう一度じっくりと考えるべき問題だと思う。
(40代女性)
「カエルの楽園」の読書感想文④
こちらの作品は、国防について興味がある人におすすめできるものとなっている。一言で表現すると、日本の現状を哀れんだ小説だったと思う。おそらく日本人に愛国心とは何かを問いかけた作品なのだろう。戦後から長い時間が過ぎている日本人に問いかけた作品だ。小説の文章はとても読みやすく、国防に関する知識が不足していても問題なく読み進めることができる。
2匹のカエルが旅に出る物語だが、そこで奇妙な風習や偏った考え方を持っているカエルに出会うことで、自分たちと価値観が違うことに気づいていく。刻々と変化する外部環境のなかで、新しいことに取り組むのではなく、これまでと同じように思考停止した行動パターンをとっているカエルを見ると、多くの大人が実践していることではないかと思えた。
以前はそのようなやり方でも凌げたかもしれないが、敵は意志を持っているので、過去と同じ行動パターンではやっつけることは難しい。現在の国外情勢を忠実に再現しているので、こちらの小説を読んで国防について深く考える良い機会になった。
特に印象に残っているのは、謝りソングという歌をカエルが合唱するシーンである。きちんと内容を理解していないのに、とりあえず相手に対して謝罪しておけば問題ないと考えている日本人に対する警告のように思えた。謝りソングを歌っているカエルは、なぜ謝りソングを歌っているのか理解できていない。
ただ、以前からあることが起きると歌われているので歌うことにしているようだ。物事の本質を理解していないと、どんどん時代から遅れてしまうので、正しい情報を自分でキャッチして対処していくことは重要である。
(30代女性)
え