「ニムロッド」の読書感想文
ニムロッドはPeople In The Boxというバンドにある曲ニムロッドという曲名を元に上田さんが書かれたというので読みたいと思っていた小説だ。仮想通貨を小説に落とし込んでいるので仮想通貨を知っている人や実際に持っている人には分かりやすいあらすじであった。
お金というものがデジタル化されていく上で人間もデジタル化していく近年の様子を先駆けて書いているのでこれからの世の中がどのようになっていくのかが気になる人にはおすすめの小説。私たちの暮らしはスマホによってどんどん便利になっていっているが、その分失っているものも多いのではないかと、とても考えさせられるものだった。
コロナ禍からホワイト革命が進み、世の中がホワイティーになって来ている。従来、当たり前とされたものが否定される世の中になったり、歴史の塗り替えというのはこういった小さな事から替えられていくのだなと思った。また、ビットコインの採掘、マイニングをする主人公として中本哲史が出てくるが、このナカモトサトシは実際にビットコインを作った人物とされている。
どんな人物なのかは分かっていなければ、本人が生きている人物なのかも分からないが、この小説では架空のナカモトサトシをきちんと擬人化して書いている事によって、ビットコインなどの仮想通貨についても分かりやすく書かれていた。
私は仮想通貨については何も分からなかったのでこの小説によって理解をした。仮想のものに価値がついているというのがすごいなと思う一方、今の世の中の過剰生産の具合を見ていると次の時代は形のないものでお金を稼ぐという風にシフトチェンジしていかないと世の中も維持出来なくなっていくのではないかと感じた。
また、主人公はマイニングによってお金を稼いではいくが、それが幸せとは直結していなかったと考えると、私たちはどんな事を考えどんな風に生きて行けばいいのだろうかととても考えさせられる一冊だった。
(30代女性)
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