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読書感想文「シートン動物記「オオカミ王ロボ」(アーネスト・トンプソン・シートン)」

「シートン動物記「オオカミ王ロボ」」の読書感想文

私は最近、シートン動物記『オオカミ王 ロボ』を拝読した。 本作品は、野生のオオカミであるロボの壮大な生涯を描いている。私は読み進めるうちに、私はそのロボの存在感と威厳に引き込まれていった。ロボはオオカミ王という称号に相応しい巨大な体躯と驚異的な知性を併せ持った偉大なオオカミである。

そんな異常なオオカミであるロボのことを、地元の人々からは恐れていた。私にとってのロボはオオカミの王であり、自然の恐ろしさというものを実体化した素晴らしいオオカミのように思えた。 私が本作品の中で好きなシーンは、シートンの追跡とそれをかわすロボのシーンである。

シートンが自身の知識と技術を駆使してロボを捉えようとするたびに、ロボはその驚異的な知能で出し抜いて見せた。この二人が描く知恵比べのシーンのすべては緊迫感に満ちており、読むたびに胸が弾んだ。 しかしそんなロボにも群れがあり、群れにいるロボ以外のオオカミたちも他のオオカミとは違う個性を有していた。

他のオオカミより脚の早いオオカミや、一際身体の大きなオオカミなど、良い意味で異常ともいえるオオカミたちをロボは統率していた。それはロボの知性とカリスマ性を、他のオオカミたちも信じていたからだと私は解釈した。そんな偉大なロボの姿に、ページをめくるたびに夢中になってしまった。 

物語の終盤では、ブランカという美しい牝オオカミが登場する。ブランカはロボの愛おしい番であると同時に、ロボの唯一の弱点でもあった。だからこそシートンはこのブランカという存在を利用することにしたのだが、それによって起こるロボの悲しみには一読者である私も涙を流してしまった。

常に偉大なるオオカミの王として降臨していたロボが、ブランカを探しては泣きそうな声で鳴き続けているシーンには目が離せなかった。それほどまでに、ロボにとってのブランカが大事な存在だったんだろうと考えさせられた。 

『オオカミ王 ロボ』は、自然界の厳しさと美しさ、そして動物の持つ生命力と感情を鮮やかに描いた作品の一つである。シートンが描く自然界の美しさには、他の作品には見られない高潔さが見て取れる。そんな点が、作品に夢中になってしまうことに繋がっているんだろうと再確認させられた作品だった。

(20代女性)

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