読書感想文「七つの会議(池井戸潤)」

この7つの会議を読んでみて小説は短編集といった形になっており最終的にそれぞれの短編集の中での話が最後に繋がっていくという内容である。今回の小説では中堅企業である会社を舞台として登場人物である八角と同じ部署で働く上司の坂戸がある日突然、八角に対するパワハラで左遷されることから物語は始まる。

 

会社では当然パワハラまがいなことは日常茶飯事であるもののあまりにも厳しい処分内容に周囲が驚きますがその処分は単なるパワハラ上司への処分ではなく会社ぐるみでの不正を隠蔽するための処置として会社の経営陣も巻き込んだ処分であることが物語終盤で明らかになる。

 

この小説を読んでみて会社を経営することの難しさと中間管理職の苦悩、その部下である末端社員の苛烈なノルマに苦しめられる姿は読んでみて同じ会社員として大変息苦しい気分になった。そしてそんな中で自分の信念を貫き通し正義と信じた行動を取る一般的には道義的に正しい人間が冷や飯を食うような立場になってします状況は現代社会においても同じなのではないかと思う。

 

不正を明らかにしてしまうと会社の経営自体に大きな影響を及ぼしてしまい自分の社会的立場が危うくなってしまうが明らかにさせしなければもしかしたら平穏に問題は解決されて何事もなく過ごせるかもしれないという状況がこの小説では展開されてるが、もしも自分が同じ立場に置かれるとすれば事なかれ主義であるため多くの登場人物と同じようになんとか何事もないように、事が終わるように動くのではないかと思う。

 

読了後には自分ならどう行動するのか?ということを考えてしまうができれば何も知らずにいるのが一番なんではないかなぁ。と思う。作中で八角が原田に序盤で言うセリフの「知らないでいる権利」は読み終わった後に読み返してみて非常に大切なものだったのではないかと思った。

 

一度知ってしまうと会社に対しての失望と不正への隠蔽へ奔走しなければならない末端の原田と組織ぐるみでしっぽを切られる坂戸が本当にかわいそうだと思った。

 

(30代男性)

 

 

 

七つの会議 (集英社文庫)

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