読書感想文「素敵な日本人(東野圭吾)」

突然、別れを告げられた女性から十年たってしまったのに、会いたいと思うのだろうか。綺麗に別れた訳でもないのに、相手に怒りは感じないのだろうか。男と女では、こんなにも物事への価値観が違うのかという事が、ありありと分かりました。もし、女だったらハッキリと会わないと言うと思うんです。
 
どんなに好きだった相手でも、勝手にいなくなった相手が、突然会いたいと言ってきたら、相手には何か魂胆があると思うのが普通なんです。案の定、峯岸は後悔する事になりました。かつての恋人だった千里子が、どんな気持ちで峯岸はの前から立ち去ったのか、彼は全く分かっていなかったというか、分かろうともしてこなかったんです。
 

 
 
彼が自分がしてきた事を、本当のところ、後悔したかどうかは微妙な気はしましたが、同じ女性としたらよっしゃあという感じです。女性は、一度でも嫌な事があると、ほぼ半永久的に覚えているんです。どんなに相手が謝ったとしても、おそらく忘れる事はないでしょう。男性と違い、女性は本当に執念深いんです。
 
でも、そういうところも女性の魅力なのかもしれません。それに、バレンタインデーという日にちも良いですよね。本来ならばこの日は、恋人達が愛を語らう、とても大切なの日なのです。あえて、バレンタインデーを選んだ千里子の気持ちも理解できる気がするんです。でも、そんな千里子が可愛くも、格好良くも見えました。
 
女性は、可愛くもあり、恐ろしくもあり、弱くもあり、そして最高に強いのだという事が分かります。読み終わった後で、なんとなく別れた彼の事を思い出していました。バレンタインデーには、いろいろな思い出がありましたが、時には忘れてしまいたい記憶もありました。それらすべてがとても愛おしいもののようにも思えてきました。
 
千里子は、きっと何もかもスッキリして、新しい人生をスタート出来ると思うのですが、峯岸はどうなんでしょう。彼は、この後で、ちゃんとしゃかい復帰できるのでしょうか。
 
(40代女性)
 
 
 

素敵な日本人 東野圭吾短編集
東野 圭吾
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