「マスカレード・ナイト」の読書感想文①
マスカレード・ナイトは東野圭吾のシリーズ物の小説でマスカレードシリーズである一作目のマスカレード・ホテル、二作目のマスカレード・イブに続く三作目だ。まずこの小説が出たということを知って真っ先に本屋に行きどのあたりに並べられているかをチェックした。
当然平積みで一番目立つ入り口や正面の小説類のところに特設コーナーが設けられていた。さすが東野圭吾先生だ、と思った。
このマスカレードシリーズはあるホテルマン(フロントクラーク)と刑事がメインキャストでホテル・コルテシアで起こる様々な事件や人間模様を描いていく推理小説である。早速手に取って読んでみた。
三部作ではあるがまだ前作や第一部のマスカレード・ホテルを読んでない人でもすんなりと入っていけるような導入だった。ホテル・コルテシアという場所は一緒だがフロントクラークからランクアップしてコンシェルジュになっていた山岸。
彼女が新田刑事との駆け引きをしながら仕事をこなしていく。それは第一作から変わらず面白い部分だった。コンシェルジュになってさらに責任感が強くなっているのもよく分かった。仕事の内容も厄介な客の対応に迫られながらもコンシェルジュは簡単にノー、できません。
とは言わないという信念をもとに何とか仕事をやり遂げようとするひたむきさとまじめさは好印象だ。また厄介な客の厄介な要望に応えるためのアイデアを様々なところ、時には新田刑事からも得られるというところも面白い部分である。
肝心の事件はというと最終的な謎の解き明かしが秀逸だった。登場人物の色々な観点から事件を回顧していきそこから読者がヒント、そして答えを紡ぎだそうと手ほどきするのがわかる。
そしてうすうす気づきだしたときに犯人本人が語りだす。なんとも引き付けられる流れだった。それまでに張られていた伏線も見事に回収し一本の線につながるのだ。エピローグでは山岸がロサンゼルスに異動するというものだが続編があるのではないかと期待を持たせるものだった。
(30代男性)
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