読書感想文「予知夢(東野圭吾)」

天才物理学者と熱血で単純だけど頭のきれる刑事のコンビが読んでいて楽しかった。短編が五作あるが、その全てが予想出来なかった。私はもともと物理が苦手だったのだが、内容が恋の話だったり興味をもてるものばかりだったので勉強になった。予知夢といわれる現象にも科学的に迫れば、どこかに必ず原因があることなど実に面白かった。

 

それは例えば予知夢じゃなくても、交通事故や病気にも言えることではないだろうか。予知夢を読むと、偶然というものはもしかしたらこの世に存在しないのかもしれないと思った。事故や病気も深く掘りさげると、原因が見付かるのかもしれない。たった一秒ずれていたら全然違ってくる事象も、科学者からしたらそれは偶然ではなく必然になってしまうのだ。

 

 

 

事件のオカルト性もたくさんあるのに、それをどんどん丸裸にしていくのは爽快で、また登場人物の奥深くにあった心情も読みとれて感動した。オカルト面で一番怖かったのは、ポルターガイストの話だった。ポルターガイストの起こる一室の畳の下に、死体が埋まっているなど考えただけでぞっとした。しかもその部屋には仏壇があって、それがガタガタと揺れる様を想像したら怖くて仕方なかった。

 

でも、湯川教授にかかればそんな事象も科学的に解決してくれるので安心しながら読んだ。少しのヒントで解決へと導く湯川教授はかっこよくワクワクした。そのままの勢いで最後の一遍である「予知る」も読んだらびっくりした。オカルトを解決したかと思いきや、最後の最後で少女が科学で証明できない一言を残すのである。

 

全て科学的に解明してきたから、今回も怖くても安心して読み進めていたのに、最後の最後で裏切るのである。結局、科学で証明できない事象も現実にあるのかもしれない。気になって気になって仕方ないけど、あの終わり方はかっこよく思った。少女はうそつきでも、間違いを見たわけでもなく、本当に予知能力があったのだ。怖かったけど、前篇ドキドキしながら読めたので最初から最後まであっと言う間だった。

 

(20代女性)

 

 

 

 

予知夢 (文春文庫)

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