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読書感想文「シアター!(有川浩)」

「シアター!」の読書感想文

誰が読んでも、すっごくわかりやすく面白い本である。私だけじゃなく、息子(中学2年生)もどストライクだったみたいで、友達にもすすめて面白かったっていわれた!と得意げ。普段、わたしたちがあまりふれることにない”劇団”の話。
 
登場人物がみんな楽しそうで、熱い。仲間っていいなとつくづく思った。大人になると、こんなに熱くなることはあまりないので、仲間に入れてほしくなる。登場するいやなやつは、もうそれこそこんなにやなやついるの!?ってくらいいやなやつで、でもみんなでやっつける。 
 
ほんと、すっきり爽快だ。主人公は泣き虫で頼りない男の子である。お父さんも演劇をしてて、けっきょく成功できず、病気で死んでしまう。で、お兄ちゃんがすごくしっかりもので、お父さんと同じ演劇に没頭する弟に複雑な感情をもっているのだが、いつも弟に泣きつかれ(主に、お金の相談)、口では罵るもののなんだかんだで助けてしまう。
 
そのおにいちゃんが、しっかり者ならではの悩みをずーっと抱えてきていて、ついに”ほろり”とするのだが、そのシーンがものすごくいい。ほんとに、こみあげてくるものを押さえ切れません。しっかりしてるのも考えものだ。兄弟ってどうしてもどっちかがしっかりしてて、どっちかが頼りない場合が多いような気がする。
 
うちも、男二人兄弟育てている真っ最中なので、今この本に出合えたのは運命だ!と思った。ありがとございます。物語は、がけっぷちから始まる。何度も何度も何度も壁にぶち当たるが、”役者は食えない”からどうにかして、”役者でも食える”にしようともがきにもがく。”役者を貧乏の言い訳にするやつは嫌いや!”。
 
しびれた。ほんとかっこいい。女の子の言い分だ。このお話に出てくる女の子、それぞれにほんとにかっこいい子ばかりです。男の子もがんばれー、と思います。これは、劇団のお話だが、十分一般社会でも通用するがけっぷちからの脱出術だ。わたしも、読んでいて何度も背筋の伸びる思いや、身が縮こまる思いをした。
 
仕事や子育てで、壁にぶちあたったときなどに、何度でも読み返したい本。そして、こどもが悩んでるときに差し出したい一冊だ。
 
(30代女性)

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