読書感想文「トワイライト(重松清)」

「幸せですか?」そう聞かれて「はい、幸せです。」と答える人がどのくらいいるだろう?とくに中年期の男女にとっては、苦笑いしてしまうような質問だろう。たとえ、結婚して子宝に恵まれて、仕事も上手くいって金銭的に不自由ない…優雅な暮らしをしていたとしても、何かしら不満や不安があるのがこの年代なのではないだろうか?

 

ましてや、夫婦間のトラブルがあったり、会社にリストラされたり、重い病気になったりといろいろなことが起こるこの年代は幸せとは言えないだろう。最近は、40歳くらいでも未婚の男女が多い。私の周りにも独身はいるが、独身は気楽かというとそうでもないらしい。

 

結婚している女性を勝ち組、独身女性を負け組と言っていた時期もあったが、それも過去の話。今の時代、結婚することが幸せとは限らない。私自身、独身時代に描いていた理想とは少々かけ離れた現実がある。理想は子だくさんなお母さんだったが、一人っ子の母である。

 

 

 

自分のお小遣い稼ぎ程度のパート勤めで、家の中も綺麗に整理され、子どもとの時間もゆっくり…が理想だったが、立て続けに起きる旦那のリストラ・病気・事故に家の中の片付けはあとまわしにして働きづめの毎日。「今度なにかあったら、離婚だからね!」と言ったこともある。それでも、その後に病気や事故で入院すれば看病している自分がいる。

 

なぜか、そういう逆境の時には頑張ってしまう人間のようだ。だから、この「トワイライト」に出ている登場人物一人一人に少しずつでも共感できるところがあった。それは、誰もが頑張ろうとしているからだ。小学生のころのように夢は見れなくなったけれど、少しでも幸せに近づこうと頑張っているからだ。私も今頑張っている。自分で言うのも変だが、人生の中で一番頑張っているのが今かもしれない。

 

今までの人生であまり頑張ったことがなかったツケがきたようにも思う。自分でも呆れるくらい、辛いことから逃げよう逃げようとしていた。そして今、頑張っている自分、誰かのために頑張れるって幸せなことなのかもしれない。誰かに頼られたり、些細なことで喜んでもらえたりすることで充実感を感じることができる。

 

そう、幸せってすぐ近くにあるのだ。自分が意識して、気づいてみたら、すぐ隣にあるのだ。要するに、自分の気持ち次第なのだ。何があっても、どんな困難なことがあって辛くても、気持ちは暗くせず明るくいよう。最初は、作り笑いでもいい。そのうち、本当に心から笑える時がくる。この本を読んでそう思うことにした。

 

(40代女性)

 

 

 

 

トワイライト (文春文庫)

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