読書感想文「朝が来る(辻村深月)」

もし、あなたに子どもができなかったら?もし、中学生なのに子どもができてしまったら?もし、我が子として育てている子どもの実の親が子どもを返してほしいと申し出てきたら?どの立場も人によっては身近に感じるかもしれないし、全く身近に感じられないかもしれない。私は、娘が一人いるがどの立場も身近に感じられるものではなかった。
 
しかし、なぜかこの本を読んでいるとそれぞれの立場の思いが胸に迫ってきて何度も涙を流してしまった。栗原佐都子と清和は結婚して暫くたつが、なかなか子どもができない。病院へ行くと夫の不妊症が発覚する。まさか、自分に原因があるとは思っていなかった清和はショックを隠すことができない。
 
私は妊娠することに苦労しなかったので、実際にこういった状況に立ったことがない。でも、この夫婦の気持ちが手に取るように感じられる。今、自分の横に不妊症が発覚して落ち込んでいる夫がいたら私は何ができるのだろうか?なんと声をかければいいのだろうか?そんなことを考えさせられた。
 

 
 
そして、夫婦は実子をあきらめ特別養子縁組に臨むこととなる。特別養子縁組もやはり、夫婦の年齢の壁や周りの理解が必要で簡単なものではない。つらい不妊治療を諦め特別養子縁組に望みをつないだとしても、実際に子どもを引き取ることができないんじゃないか、という不安と葛藤が他の夫婦の心の動きとともに描かれていた。
 
この部分に、私は一番心を震わせた。当たり前のように子どもを産み育てているが、子どもと生きることは自分の人生にとってどんな価値があるんだろう。価値なんて以上に子どもが与えてくれた物は他には代えられない唯一無二の宝物だということに気づかされた。
 
その宝物を望んでも得られることがないとしたら、当然自分も手にできる物だと信じていたのに得ることができないとしたら。その悲しみ、絶望は計り知れないだろう。一方、佐都子と清和が養子縁組をすることになる朝斗の産みの親である片倉ひかり、彼女が妊娠し子どもを産みその後の人生も描かれている。ひかりは付き合っていた大好きな彼氏の子どもを身ごもる。
 
中学生ながらお腹の子どもに対して小さな母性を育んでいくのだが、親の意向もあり子どもを手放すことになる。女の子の思春期特有の心情の動き、両親への反抗心。大人から見ればまだまだ未熟に感じられるのだが、中学生当時の自分だったらどう感じただろうかと、考えさせられた。また、親として大人としてどう考え伝えていくべきなのかとも考えさせられた。
 
一見、重なりようのない二つの人生が子どもを通じて重なり一つのドラマになっていく。その展開に目が離せなくなった。生きていれば男性も女性も一度は“我が子”に思いを馳せることがあるだろう。子どもを身ごもり産むとはどうゆうことなのか。子どもを育てるということはどういうことなのか。血の繋がりとは何なのか。深く深く考えさせられた本であった。
 
(30代女性)
 
 
 
 

朝が来る
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辻村 深月
文藝春秋
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1 件のコメント

  1. JUMP#八乙女光LOVE より:

    うちも今、JC1年やけど
    去年の夏に妊娠してもうて大変やったわ!!!
    親はなんも言わんけど、担任がもうムッチャ
    うるさくて1時期不登校してて…w
    学校的にも髪染めてても・制服あるのに
    私服登校しても・授業中LINEしてても
    お菓子食べたり・音楽聴いてても
    なんも言われんようなとこやったからなw
    んで、うちは彼氏と授業中に抜け出して、
    誰もおらへん理科室で、試験管(?)
    中に入れたりして遊んでたら調子乗って
    本物、生で入れちゃって妊娠したw

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