読書感想文「オーダーメイド殺人クラブ(辻村深月)」

この本と出会ったのは私が中学三年生の頃で、とても衝撃を受けたことを覚えている。現在大学一年になって再読してみてもやらり年齢に囚われない素敵な作品だと実感した。これは中学2年の時、突然友人たちから無視されるようになったアンは、同級生の「イケてない男子」徳川の言葉をきっかけに仲直りする。

 

しかし、絶望感を抱いたアンは、徳川に自分を殺してと頼む、まさしくオーダーメイドな自殺なのだ。私は元々自殺願望があるが、プライドも高いので、そんじょそこらの自殺と一緒くたにされない記憶に残るような死を演じてみたいなんて少し痛い発想を持っていたところで、この本の主人公アンと出会った。

 

まるで私がモデルなんではないかと思うほどに抱いてる考えや性格が酷似していて驚いた。けれど、この本のおかげで「私」を客観的にみれたのではないかとも思う。例えば、私もアンもいじめにあっていたが、「あんたらとは違う、私はいつでも死ねるんだぞ。」と自殺を糧に学校に通っていたことや、虚無感を抱いている時に見る景色を美しく感じたり、そんな心理描写である。

 

 

唯一似ていなかったのは、これは青春と思春期の心の揺れ動きを描いたものであるため、席が隣り同士で美術部の徳川との恋愛模様が描かれていること。恋愛模様だなんて綺麗で繊細なものではないが、ラストでこれまでのふたりを見てきたから応援したくなるような展開が待っている。

 

中学三年と大学一年で読んだ時に感じた違いは、やはりその痛さに気づけているかいないかであった。中学三年で読んだ時は、私の考えは間違えてなかったと、それはそれで自殺をテーマにしたこの本から生きる希望を見出していたので結果オーライである。

 

大学一年の時は、どこか俯瞰してこんな事もあったなあと、まだ捨てきれてはない死への憧れを残しつつも、懐かしさを感じている。私はまたこの本を、就職して結婚して子供ができて、そんな節目節目に再読して、また違った感想が持てればと思う。

 

(10代女性)

 

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