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読書感想文「ハリー・ポッター シリーズ(J.K.ローリング)」

本が大好きで小学生の頃から読書が趣味だった。名作と呼ばれる本はどんなに古くに書かれた本だとしても、今現在読んでも面白いし感動するものである。江戸時代に書かれた『南総里見八犬伝』を読んだ小学生の頃に初めてそう思った。
 
それは何百年、千年経っていたとしても普遍的な事である。例えば平安時代の和歌をとってみても共感して「どんなに文明が発達した現代だって人の気持ちって当時と少しも変わらないんだな。」と思う。そんな私だが、大好きな読書というものに対して「この時代に生きていて良かった。」と心の底からつくづく感謝する事があった。
 
それはこの「ハリーポッターシリーズ」に同じ時代に出合えたという事実である。もし、今55歳の私がほんの30年早く生まれていたら、ハリーポッターには出会えなかっただろう。そう考えると私は心の底から作者のローリングさんと同じ時代に生きたことに感謝するのである。私は元々ケチで、ほとんど新刊は買わない。
 
まずは図書館で予約をする。そして人気の本なら「600人待ちの順番」でも1年後になっても待って読む。そしてそれが面白く購入に値すると思ったら、初めて買うことにする。さらにそれでも即買わずに文庫本になるのを待って買う。なので自分の手元にその本が来るまでに3年以上かかったりするが、私の本に対する気持ちは良い本に出合うには気長に待つのも平気というものだ。
 
なので、このハリーポッターシリーズの第一巻『賢者の石』の時にマスメディアで相当騒がれたが、いつものように図書館で予約して待って読んだ。そう、ちゃんと待って読んだのだ。それなのに、生まれて初めて私は本に対して我慢できないほど次の本が待ち遠しくてたまらない思いをした。2巻『秘密の部屋』は早くに予約した。
 
待ちきれなかったからである。そして3巻『アズカバンの囚人』が出る前に繰り返し1巻2巻を借りて読み直した。ふつう名作と呼ばれるシリーズは「アン」にしても「アリス」にしても「ジュデイ」にしてもたいていは最初の作が一番の出来である。それなのにハリーポッターは1巻以上に2巻が面白くなっていた。そして3巻の『アズカバンの囚人』を予約する前に、文庫になるのを待つことなく、とうとう大きなハードカバーの本を買ってしまった。
 
家には文庫本専用の3畳ほどの本の部屋があるのだが、とうとうその棚の高さに入らない本を生れてはじめて買ってしまった。3巻『アズカバンの囚人』の発売日には当時専業主婦だった私は前日の夜に掃除洗濯次の日のシチューなどを作って、朝本屋さん開店の一番から購入して家で一日読みふけった。すると1巻2巻より又さらに面白くなっていた。
 
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もうその時には私はハリーポッターのとりこになっていた。毎回次の巻が出るまでに1巻から読み直して待った。待って待って待ち焦がれた。当時の私は「ハリーポッターが完結するまでは絶対に死ねない。」と思っていた。手術して入院することがその間2回あった。病室にも持って行った。もう私の愛読書なんてものじゃないレベルの本になっていた。
 
本来出不精でケチなので映画館へ出かけてお金払ってまで映画を観る機会はハリーポッターが映画になる前まで当時40年の人生で2~3回しかなかったが、ハリーポッターの映画は毎回一人ででも2回ずつ観に行った。4巻の『炎のゴブレット』では少しパワーダウンしたが、4巻を読んで今までの3巻までは本全体の壮大な前置きであったことに気づき愕然とした。
 
4巻からが本当の幕開けだったのである。5巻『不死鳥の騎士団』6巻『謎のプリンス』7巻『死の秘宝』と次々とパワーアップして行く。最後に完結した時は、もう一生楽しみが無くなったと思って脱力した。この膨大な「ハリーポッターシリーズ」を一言でいうなら少年の成長物語である。でもハリーポッターは表の表題であって、実は裏ではネビルロングボトムという少年の成長物語でもある。
 
ハリー・ロン・ハーマイオニーの3人ばかりがクローズアップされているけれど、実は裏と表でハリーとネビルの成長物語といえるだろう。この本が全部完結するまでに待ち焦がれて亡くなった方もきっといらっしゃったことだろう。もし無人島に何か持って行っていいと言われたら、私はこのハリーポッターシリーズを迷わず選ぶ。作者ローリングさんと同じ時代に生まれて、完結まで長く待って読むことができた。私は幸せ者である。
 
(50代女性)
 
 
 
 

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