読書感想文「雨ニモマケズ(宮澤賢治)」

この宮澤賢治という作家は日本の最も有名な作家のなかの一人ではあるが本当に素晴らしい文章を書くと思う。もちろん私は小説家や詩人ではないので素人考えで読んではいるがそんな私でもこの「雨ニモマケズ」という詩を読んだときに宮澤賢治という人間の人格はどういうものだったのか、そして彼は何を思い何を見てこの詩を書いたのかとても興味ぶかく感じた。

 

この詩は本当に有名でテレビのCMや朗読会、ボイスドラマCDなどで沢山読まれてきていると思うが言葉の一音一音が力強くて宮澤賢治が生きていた時代の泥臭く生きる人たちの必死な姿が目に浮かぶようである。今の世の中はスタイリッシュにスマートに生きることが良いとされていて、若い人たちの中では「頑張っていることがかっこ悪い」とか「努力は恥ずかしい」と思っている人は少なくない。しかし、そういう若者にこの詩をぜひ読んでほしいと切に願った。

 

多分、もし私が中学や高校の先生だったら、教科書に載ってなかったとしても絶対に生徒に読んでもらいたい本の中の一つになるであろう。文章の良さは口で言えないことを代弁してくれたり、直接言えない人たちに紙や本が広がることで多くの人たちに自分の言葉を伝えられる部分だと思う。

 

そして、この詩の一番好きな部分は最初のタイトルにもなっている「雨ニモマケズ」である。天災は決してさけられないものであるにも関わらずそのあとに「風ニモマケズ」とさらに続くこの文章から宮澤賢治の強さであり、当時の人間の力強さ、強くなければ生きていけない時代を感じることができる気がした。

 

文章はとてもモラルでいっぱいで普通の人が書いたらただの綺麗ごとに感じる内容なのにも関わらず宮澤賢治の文章には全く綺麗ごとを感じず、むしろ必死さや人の願いが沢山詰まっていると感じた。最後のフレーズにある「ホメラレモセズ クニモサレズ サウイウモノニ ワタシハナリタイ」

 

私はこのフレーズを初めて聞いたときにズドンと稲妻が走ったぐらい記憶に残る言葉であった。また、文字として読んだのは今回が初めてだったのだが文字からもパワーを表現されていてさらなる衝撃が走った。このカナを使う表現がきっと人の柔らかさの部分よりも生きることへの願いや強さがより表現されるのだと思う。

 

また、今は精神カウンセリングなどで文字を書いたり読んだりすることで自分の気持ちをポジティブにすることができるという治療方法があるのだが、この「雨ニモマケズ」はまさに私だったら治療に使いたくなるような力強さをくれる言葉たちだと感じた。それは、とてもポジティブで自分にない強さを沢山与えてくれる言葉が散りばめられているからだ。

 

例えば「アラユルコトヲ ジブンヲカンジョウニ入レズ ヨクミキキシワカリ ソシテワスレズ」この部分は良い意味で自分を省みないで紳士に生きていく人間像を感じることができて、毎日パソコンや携帯に向かっている私にはハッとさせられる説教のような言葉であった。私もこの詩を音読したときに嘘を感じさせないような真っ直ぐで愛に溢れる大人になりたいと改めて感じた。

 

(30代女性)


 

 

 

宮沢賢治の雨ニモマケズは誰しも一度は目にしたことがあると思う。これを読んだときに、こんな生き方ができたら、かっこいいなぁという思いと、実際にはなれないだろうなぁという両方の思いを持った。そして、これを書いた宮沢賢治もその思いを持って書いたのだろうなと思った。

 

暑さにも、寒さにも負けず、欲もなく、少しのご飯を食べて、自分を犠牲にして人のために尽くす。そして、見返りを求めない。そこまでできれば、人間ではなく神様ではないだろうか。人間はどうしても欲張りな生き物である。今持っているものに満足できず、あれも欲しい、これも欲しいと思ってしまう。そして、他人が持っているものに対して羨ましいと思ってしまう。

 

人間のもっとよくなりたいと思う欲は、努力につながり、それが発展につながるため、必ずしも悪ではない。しかし、あれも欲しい、これも欲しいと思い、自分さえよければいい、他人のものまで欲しいと思ってしまうと不幸になってしまう。誰もがそんな考えを持ってしまうことで、争いがおき、それが戦争にまで繋がってしまうのではないだろうか。

 

 

雨ニモマケズは日本人誰もが知っている作品である。それは、きっと、日本人に雨ニモマケズの人物のように、他人の幸せのことを考えて動ける人になって欲しいという思いからきているのだと思う。幸せな人は、たくさんのものを持っている人ではなく、今持っている小さな幸せを幸せなことだと思える人であると思う。

 

そして、それと同時に、その幸せをみんなで分かち合いたいと思える人だと思う。反対に、不幸な人は、自分の幸せに気がつけず、もっともっとと欲張って、他人の分までとろうとする人であると思う。もちろん雨ニモマケズの人物のようになれる人はいない。

 

けれど、欲が少なく、他人のために動けるようになりたいという気持ちを持っていることで、少しでも、そこにたどり着ける気がする。そして、そのことが、結局幸せになれる方法ではないかと思う。宮沢賢治の雨ニモマケズを読むことで、幸せな生き方とは何かを考えさせられた。

 

(30代女性)

 

 

 

〔雨ニモマケズ〕

〔雨ニモマケズ〕

posted with amazlet at 18.07.15
(2012-09-13)

 

 

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