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読書感想文「よだかの星(宮沢賢治)」

「よだかの星」の読書感想文①

私は、この「よだかの星」にとてもパワーをもらった。この作品では主人公のよだかは周りの鳥たちに本当の自分を認めてもらえず、ありもしない中傷を言われてしまったり、理不尽にも名前を変えろと言われたりする。また、良いことをしても誰にも讃えられないという悲しい環境の中生きている。最後には星になりいつまでも輝き続けているという終わり方をするのではあるが…。
 
やはり、人は生きていて決していいことばかりではないと思う。その中でも生きて行かなければいけないのが人間である。だからこそ私はこのよだかのような人間に共感し好きに思う。人の人生も決して夢や希望を抱いて順風満帆に行くことはない。でも、諦めないことや夢を抱くことが大切だと思っている。主人公のよだかは特別に秀でたものを持っているキャラクターではない。
 
私はそこが一番気に入っている。コンプレックスも持っているし、優しさも持っている。とても人間臭いからこそ感情移入ができ、そんなよだかが諦めずに空を飛び続けたからこそ最後には誰よりも強く飛び星になるのである。人の努力というのは自分が決めるのではなく他人が決めるものだと思う。評価されない人生もあるので、もしかしたら努力が無駄になることもあるかもしれない。
 
それこそこのよだかも死んで初めて星になり高い高い空を飛ぶことが出来た。でも、私は個人的には努力しないで終わる人生はもったいないし、やらないで後悔するなら何事も失敗してでもいいから後悔しない人生を選びたいと思った。よだかの星のなかで、よだかは一人でよろよろになりながらも何度も何度も飛ぶ。きっと何度も諦めかけたり挫折しそうになったに違いない。
 
でも、一人で飛び続けたよだかだからこそ最後に星になり誰よりも高く長く輝き飛び続けるのである。そう考えると誰からも相手にされなかったよだかが星になれたように、私たちの可能性は無限大だと思うことが出来る。今はゆとり教育と言われて若い人たちは努力が出来ないと言われたりもしている。
 
けれど、誰でも飛び立つチャンスはあるし、輝くチャンスはあるのである。あとは、やるかやらないかだけ。よだかも地面に尽きそうになるまで飛んだ。決して綺麗な飛行ではなかった。どうしても失敗を恐れてしまうことはあると思う。でも、これを読むと励まされている気持ちにもなる。私はこの本を読むときは落ち込んだ時や頑張りたいときに読むようにしている。
 
この本のおかげで、日々の目標に向かって前向きに取り組むことができる。この一冊に出会えてよかったと思っているし、これからも読み続けようと思う。本当にこの本に出会えて幸せに思う。
 
(30代女性)

「よだかの星」の読書感想文②

よだかと擬人化されているが、よだかの生き方は人間の真髄をついた、実に人間らしい生き方である。私がこの作品を読んだのは、小学6年の時だ。私は、子供ながらによだかと同じことを考えていたと共感したのを覚えている。まだ、社会に染まる前の子供がそう感じたというのは、人間の原点に近いのではないかと言える。
 
私たち人間は、色んな物を食べるが、おそらく日本人は目の前で走り回っている牛や豚、鶏を自分で捌いて食べる事ができる人は少数であろう。よだかも毎日多くの羽虫が自分に食べ殺されていく事に疑問を抱き、辛く感じたのだ。自分が生きていくために、多くの命を殺している事。自分は、それほどまでして生きていかなければいけない、価値のある生き物なのか。
 
私はそう思ったが、よだかは醜い容姿が皆から嫌われている事もあってか、飢えて死ぬ方を選択した。何も悪い事などしていない、ただただ醜い容姿なだけで、よだかは皆から嫌われ、邪魔者扱いを受けていた。そして、自分の存在を消す事に意味を感じたのだろう。太陽や星々に、自分をあなたの近くに連れていってくださいと、頼み回った。
 
何故、よだかは自殺しなかったか。恐怖などという言葉は、よだかにはなかったであろう。自分の命さえも無駄に使うことを躊躇ったのだ。そして、天に帰る事が、生涯を全うする事と考えたのだろう。どんなに小さな生き物でも命あること。生きている事の奇跡。その命を頂く事のありがたさを改めて考えたい。
 
そして、生きる事に感謝し、明日が来ることに感謝しながら日々を過ごしていきたい。当たり前となっていた、日々の原点を見つめ直し、自分の命も大切にしなければと思う。よだかが命あるものを食べないでいたいと思うのは、宮沢賢治の有名な詩。『雨ニモ負ケズ』の一節。『一日二玄米四号ト 味噌ト少シノ野菜ヲタベ』から生き物を食べようとはしていないという共通点があげられる。
 
これは、作者の理想ではないだろうか。よだかも『ソウイウモノ二 ワタシハナリタイ』と、思ったのではないだろうか。私は、これを本来の人間の姿。欲の無い姿だからこそ、よだかは人間の理想像なのではないかと思う。普段の生活が『当たり前』ではないという事。自分が生きている事は、決して当たり前ではなく、明日が来るの事も当たり前ではない。
 
だからこそ、この命。すべての物に感謝しながら生きていきたいと思う。そして毎日を大切に生きていきたいと思った。
 
(30代女性)

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