読書感想文「人魚の眠る家(東野圭吾)」
「人魚の眠る家」の読書感想文① この世には狂ってでも守らなきゃいけないものがある。そして子どものために狂えるのは母親だけである。これは、6才の愛する我が子が脳死になり、その子のためにできうる限りのことをした母親のセリフで...
「人魚の眠る家」の読書感想文① この世には狂ってでも守らなきゃいけないものがある。そして子どものために狂えるのは母親だけである。これは、6才の愛する我が子が脳死になり、その子のためにできうる限りのことをした母親のセリフで...
著者は、ハードボイルド作家なので、この本を手にした時はいったいどんな出来事が起こるのかドキドキしていた。ところが、主人公の望月拓馬はめちゃめちゃ軽くいい加減な奴だった。そこで、祖父の差し金でこの極悪人専用超高級マンション...
私は今、インドネシアで生活を送っている。あまり知られていないが、インドネシアは世界最大のイスラーム人口を誇り、2億5千万の人口の9割がイスラームだと言われている。実際、私の周りにもイスラームの人たちが大勢いるし、友人も多...
「沼地のある森を抜けて」の読書感想文 この世の中は、「男」と「女」で構成されている。男女がお互いを好きになり、結婚し、子供をつくり、その子供がまた異性と出逢い…。そうやって、私たちはこの世界を維持し、発展させている。しか...
日本以外の先進諸国では、筋力以外で男女の能力に性差はない、差がある場合は男女によるのではなく個人の差であるとされて長い。その点日本においてはいまだに、男性脳、女性脳などといってあたかも男女による違いで家事や仕事に適不適が...
私がこの本を手に取ったのは、結婚相手が恐ろしくモノを溜め込む癖があり、なんとか改善できないかと思っていたからだ。買ってすぐ旦那にプレゼントしようかとも思ったのだが、自分自身が内容を読まずに押し付けるのも…と思い、読んでみ...
「さおだけ屋はなぜ潰れないのか?」の読書感想文 身の回りの全ては数字が関わっている。数字を知ることは、その奥にあることを想像し、知ろうとすることだ。わたしがこの本を読んで最初に持った感想である。著者はさおだけ屋、高級料理...
「十五少年漂流記」の読書感想文① 私がこの物語を読み終わりまず最初に感じたことは、「人と人の間に国籍とか、人種とか考え方の違いという壁があったとしてもそれは必ず超えられるものなんだ」ということだ。この本は漂流した少年たち...
「サラバ!」の読書感想文 「サラバ!」は私に今までの生きざまを「正しかった」と認めてくれた本であった。ママ友のランチの時にママ友が紹介してくれた本が「サラバ」だった。子育てに忙しい日々を送る毎日で読書とはすっかり離れた生...
「河童・或阿呆の一生」の読書感想文 この作品は芥川龍之介氏がパラレルワールドを表現している奇しくも、滑稽なSF小説である。まず、羅生門や地獄変の氏の作品のイメージとは一線を画した作品である。 主人公はおそらく人生という道...
「火星に住むつもりかい?」の読書感想文 この物語はとてもリアリティのあるファンタジーだと思った。危険そうな人物は拷問にかけられ処刑されるという恐ろしい設定があるが、読んでいくとなるほど、「あり得るかもしれない」と思わされ...
この本を読んでまず感じたことは、人を骨まで愛することのすばらしさと、それとはうらはらに愛し過ぎることによって回りが見えなくなると、簡単に犯罪行為ができてしまう人間の脆さ、弱さを感じた。 愛するということは、...
「カッコウの卵は誰のもの」の読書感想文 タイトルを見た時には、このような複雑な展開になるとは思ってもいなかった。まさかの展開に様々な人の思惑が重なり、心理サスペンスの面白さにドンドン引き込まれていった。 始めは、『ちゃれ...
「マスカレード・ホテル」の読書感想文① 仕事が行き詰まって、しかも風邪を引いてしまった最悪の時期に『マスカレード・ホテル』を読んだ。普段から仕事柄、小説はたくさん読んでいるが、主にいわゆる純文学や外国翻訳物だ。 気分転換...
「君の膵臓をたべたい」の読書感想文① 「君の膵臓をたべたい」一発目のインパクトにやられた。なんの本なんだろう。カニバリズム的な類なのか。それにしては桜色の淡い色調の表紙につかず離れずの高校生の男女がふんわりと描かれている...
「命の器」の読書感想文 まずタイトルの「命の器」に惹かれ気がつくと手にとっていた。私が18か19歳の大学受験で恐ろしいぐらいの孤独の中にいた時期だ。友達もいない、家族も信用できないと人と話をして笑う事をすっかり忘れていた...
「片想い」の読書感想文① この本に出会い、私は男女は何を基準に分けられているのだろうかと考えさせられた。この本では性同一性障害を持つ人の様々な苦悩や葛藤が描かれている。カミングアウトができた人はある程度の壁を乗り越えてい...
これは、20世紀のフランスを代表する三大作家の一人アンドレ・ジッドの作品だ。戒律の厳しいプロテスタントの牧師父子と盲目の少女との三角関係の思いが、牧師の一人称の形で描かれている。養女として育てている少女が美しく成長してい...
「火車」の読書感想文① お金というものは、これほどまでに人の人生を狂わせてしまうものなのか、と、心にずっしりきた本だ。婚約者との結婚を前に、1人の女が姿を消した。婚約者だった若者が、彼女の行方を探し出し、事情を聞いて欲し...
この本を知ったのは高校生の頃である。本の帯に自分と同世代の著者だということを知り、興味本位で読み進めた。中学生の淡く切ない恋愛模様が、初々しく瑞々しい文体で書かれており、内容がすんなり入り、とても読みやすかった。とても素...
毒親という言葉を最近よく聞くようになった。それによって、実は自分の親が毒親であったと初めて気づく人もいるのではないか、私もその一人だ。子供というのは、自分の育ってきた環境以外のことは経験していない。例え自分が親からひとい...