読書感想文「サラバ!(西加奈子)」

「サラバ!」は私に今までの生きざまを「正しかった」と認めてくれた本であった。ママ友のランチの時にママ友が紹介してくれた本が「サラバ」だった。子育てに忙しい日々を送る毎日で読書とはすっかり離れた生活を送っていた。最近は男性作家の作品が受賞する話題が多い中で、女性作家の作品は真新しいように感じた。

 

読み始めてみると、女性ならではの書き方で読みやすかった。主婦の立場からも興味深い内容であり、一人の人間の立場から見ても入り込んでしまう内容であった。特に、主人公の姉の生き方は、普通の主婦として生きてきた私にとっては衝撃的であり、魅力的な生き方であった。上下巻からできているが、上巻は主人公の優等生的な生き方が、世渡りが上手な人間であり、かしこい人間のように感じていた。

 

一方で、姉の生き方は異様な雰囲気を感じ、一般人からはかけはなれた印象を受けていた。ところが下巻になると、主人公と姉の生きざまがひっくり返ってくる。私は、なぜか姉の不器用な生き方が報われてくる展開を気持ちよく感じた。未成年のうちは、周りの環境に左右され自分らしく生きられなかった姉であったが、そのなかでも自分を貫き通した結果が大人になってから、自分の人生を歩む糧となってきたのだろう。

 

 

 

世間体を気にしてそのときそのときをやり過ごしてきた主人公は、成人になってから自分の生き方がみつけられない人間となっていた。私自身の生き方は、どちらかというと主人公の姉に似ていた。学生時代もきちんと学生という立場から飛び出すことはなかったけれど、その枠のなかで精いっぱい自由に自分らしく生きてきた。

 

その結果、大人になった今でも、常に自分基準が明確にあり生きていかれているのだ。今までは、「自分を貫き通して生きること=わがままな生き方」なのかという疑問が自分のなかに多少なりともあった。しかし、「サラバ」を読んで、やはり一度しかない人生は自分らしく自分を貫き通す生き方をしなければ、一生のうちでいつかしわ寄せがきてしまうと感じた。つまり、自分の人生を自分で決め続けることに自信を持てと「サラバ」に背中を押された気がした。

 

(30代女性)

 

 

 

 

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