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読書感想文「男は邪魔! 「性差」をめぐる探究(高橋秀実)」

日本以外の先進諸国では、筋力以外で男女の能力に性差はない、差がある場合は男女によるのではなく個人の差であるとされて長い。その点日本においてはいまだに、男性脳、女性脳などといってあたかも男女による違いで家事や仕事に適不適があるかのような本や言説がちまたにあふれている。例えば男は仕事、女は家庭、のような。
 
男性にとって、性差がないとされてしまうと社会全体に変革、改革が必要になる事態である。そうすると多くの男性がやらなくて良いとされてきた無賃労働である家事を女性同様に担当したり、会社の管理職の半分を女性にしたりしなくてはならない。それは男性にとって既得権益を失うことになるので、避けたい。
 
という男性の声は、声に出して言う人は少ないが、政治などを見ているとものすごく良く聞こえてくる男性の心の声である。この本は、そういった声と反対をいく内容が書いてあった。タイトルからしてセンセーショナルだが、内容の中で私が最もセンセーショナルに感じたのは、ホルスタインについての記載である。
 
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日本にいるホルスタインは、200万頭いるが、ほとんどが雌である。うち雄は40頭だけで事足りると言う。これを人間に換算すると、日本人の現状の数を保つためには、20代60万人の男性の中から優秀な男性を1000人だけ選抜すればよいことになる、それ以外は「しょうがないよね」と廃棄処分されても仕方ない、という記述はなかなかに戦慄だろうと思う。
 
私は女性なのでそこまで戦慄しないが、政府が少子化対策に女性手帳を配るなどと言い出すことが日常茶飯事なので、むしろそういう政策を出すような男性に戒めの言葉となるように感じて痛快に思った。痛快と言えば他には著者の妻の言葉が痛快なものが多かった。例えば私がトイレをきれいに掃除して、あなたが使って汚し、私が使うときには汚れたトイレになっている、などうんうんとうなりながら読んだ。
 
子ども時代の男女差についての章でも、男の子はぼんやりとしていて端的に言うとバカで、女の子は賢くて細かいことに気がつく、でも男の子はバカだからしょうがない、女の子が大目に見てあげて、というような甘やかしの記述もないのがよかった。男のバカは愛すべきバカ、みたいな言説は耳にタコである。この本にはそう言うところがなくてストレスなく読むことができた。
 
(30代女性)
 
 
 
 

男は邪魔! 「性差」をめぐる探究 (光文社新書)
高橋 秀実
光文社 (2013-04-17)
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2件のコメント

結局は男性を蔑視したい意識がありありと見える感想ですね。
>日本以外の先進諸国では、筋力以外で男女の能力に性差はない、差がある場合は男女によるのではなく個人の差であるとされて長い。
とかいいながら、後半の文章を読むと「男性は女性より劣っている」というあなたの男性蔑視の意識が明白に見えてきます。
トイレの話だって、それも所詮は個人としての旦那さんが個人としてのあなたに綺麗さで劣っているということであり、男性が女性より劣っているという風にみなすのは男性差別です。
所詮は性差よりも個人差の方が多いのだから
「男性は劣っている」という発想は「女性は劣っている」という発想と同様に誤謬であることをあなたは知るべきでしょう。

>性差がないとされてしまうと社会全体に変革、改革が必要になる事態である。そうすると多くの男性がやらなくて良いとされてきた無賃労働である家事を女性同様に担当したり、会社の管理職の半分を女性にしたりしなくてはならない。それは男性にとって既得権益を失うことになるので、避けたい。
でも、世の中には専業主夫になりたいという男性もいますよ。
女性は専業主婦になれても、男性は専業主夫になるのは難しいというのは、既得権益をもっているのはむしろ女性側じゃないんですか?

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