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読書感想文「夏の騎士(百田尚樹)」

「夏の騎士」の読書感想文

ベストセラーを連発するも、その発言が数々の話題となる奇才、百田尚樹が、最高傑作とし、これをもって小説家を引退するとまで言った作品である。主人公は、現在43歳の中年男。物語は31年前、主人公が小学校6年生の夏のことが描かれてある。主人公:ぼくと陽介と健太の3人は、勉強も運動も、何のとりえもない幼馴染だったが、その夏「騎士団」を結成した。
 
騎士団には守るべき「レディー」が必要である。レディーには当然のようにクラスの有村さんを指名した。この物語の中で起きるトピックスは大きく3つである。まずは県下一斉に行われる模試へのチャレンジ。レディーの有村からのお願いであり、断るわけにはいかない。それまで勉強らしき勉強をしてこなかった3人がいきなり試験勉強をすることができるはずもない。
 
ここで登場するのが、クラスのさえない女子:壬生。騎士団の3人は壬生の助けを借りながらようやく勉強に励み、健太が62位、壬生がなんと1位という結果となった。2つめのエピソードは文化祭の出し物である。級友たちの悪意のあるキャスティングで、「眠れる森の美女」の王子と姫の役が、ぼくと壬生になってしまった。
 
壬生はそれまで、クラスで「おとこおんな」と呼ばれているようなキャクターだったのだが、姫の役に対して真摯に向き合い、一生懸命取り組む姿に、いつしかぼくも周りのことを気にせず練習に没頭するようになっていく。果たして文化祭の本番は大成功。おとこおんなと呼ばれていた壬生はその姿も踊りも美しく、観客を魅了するのだった。
 
そして3つめのエピソードは誘拐・殺人犯との闘いです。騎士団の3人は自分たちで犯人を捜しているうちに、犯人にでくわしてしまう。そこでの手に汗を握るやりとりで、なんと、犯人を捕まえることに成功する。この3つのエピソードを巧みに絡ませながら、物語が進行していくのだが、少年たちの純朴なひたむきさが壬生の魅力を引き出し、最後の展開はやや予測できたものの、見事なすがすがしい読後感のある小説となっている。
 
(60代男性)

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