読書感想文「ちょっと今から人生かえてくる(北川恵海)」

今自分が置かれている状況や、踏み出そうとしている未来と重なって、心に揺さぶりをかけてくるような話だった。ここに描かれている人たちはみな、ヤマモトに影響されてなにか一歩を踏み出した人たちだった。今まで積み上げてきたものを捨て去り、新しい場所を目指す人達は、みな顔が明るい。その輝きを見てしまったら、私もそうなりたいと願ってしまう。

 

どうしても会社を辞めることや転職することはマイナスに捉えがちだけど、別に会社のために、働くために生きてるわけじゃないから、そう決断することも悪くないと思う。会社に残って「お前は他ではやっていけない」と呪詛を吐く人は、転職経験がないか、その人を縛り付けておきたいかのどちらかだと思うから、あまり気にする必要もないと思う。

 

「ちょっと今から仕事やめてくる」の続編。案外、覚えてるところもそうでないところもあった。短編集でも各話につながりがあって、アナザーストーリーの中でも関係が繋がっていくのが面白かった。ヤマモトがどのようにして情報を得て、登場人物たちにコンタクトをとっていくのか、相変わらず不思議だった。

 

最終的には青山くんもヤマモトの同僚になったようで、よかった。清々しく仕事ができてるんだろうなと思う。ヤマモトはいつでも他人の懐に入るのが上手いのだが、今まではどうしてなのかが分からなかった。ただの人懐っこさ故のものなのかと思っていた。しかし今回はそれが解明されていて、読んでいてすっきりした。納得のいく説明だった。

 

ラノベチックなこの小説、斜め読みでも内容は入ってくるもので、すらすらと読めたのはよかった。目が滑るところがなかったわけではないが、それなりに面白く読めたと思う。いつも読んでる最中に「この小説は再読するのか」を考えるのだが、今回は再読しなくてもいいかなと思う。伏線がたくさん張られるような緊張感のある話ではないので、一度読むだけでも十分に楽しめた。お仕事小説としてはまずまずの出来だと思う。

 

(20代女性)

 

 

 

ちょっと今から人生かえてくる (メディアワークス文庫)
北川 恵海
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