「竜馬がゆく」の読書感想文①
坂本竜馬の生涯を描いた有名な歴史小説であるが、全八巻というその壮大さから読書好きの私も今まで手に取らずに来ていた。ハードな仕事で体調を壊してしまい休職することになり、挑戦することにした。そのような境遇で読み進めていくと、大きく感情を動かされる作品であった。
坂本竜馬の生涯を描いた有名な歴史小説であるが、全八巻というその壮大さから読書好きの私も今まで手に取らずに来ていた。ハードな仕事で体調を壊してしまい休職することになり、挑戦することにした。そのような境遇で読み進めていくと、大きく感情を動かされる作品であった。
世間にはいつの時代にも≪常識≫というものがあり、そこからはみ出す者はいつも生きづらさを感じるものなのだと思う。実際私も、会社ではこのように振る舞わなければ「ならない」、このように生きるのが「当たり前」である、という考えを上手く飲み込むことができず、苦しさを感じている一人である。
竜馬が生きた幕末という時代は、世間の≪常識≫が短期的に大きく変わろうとした時代である。この小説には多くの登場人物が存在し、その時代をどのように考えながら生きていくのかということが描かれている。それぞれが葛藤し、それでも生きていかなければならない苦しさが手に取るように感じられ、多くの学びを得ることができた。
この小説は様々な視点から読み解くことのできる作品だと思うが、私が最も強く感じたのは「経済的な自立」の上に「精神的な自立」が成り立つという点である。そして、その両方が満たされないと人は人生に満足感を得ることができない。竜馬は土佐藩の郷士であり、土佐藩の家禄で養われている身である。
ペリー来港など時代が動いていく中で、「個人」として生きていくためには土佐藩を脱藩することが必要であった。飼われないことによって自由を手に入れている。後ろ盾を失う代わりに自分の気持ちに正直に、本当に自分が正しいと思う行動をすることができるようになった。
このような物語は巷に溢れていると思う。「守られている状況から抜け出し、自分の生きたいように選択をしていく人生」というストーリーだ。しかし、これが現実に日本にいた一人の人物の話なのだということに強い感銘を受けた。竜馬のように生きたいと憧れるとともに、そこまでの勇気がない自分に失望も感じた。
私が「今すぐ会社を辞めて自分の力で生きていくのだ」と決断するのは難しい。しかし、常識的な「正しい」とされる生き方も流動的であり、それが全てでは無いのだと理解しながら日々を過ごしていきたいと思った。
(20代女性)
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