この本は上中下の三部作だ。1番目の、上巻では主人公継之助の人となりについて詳しく描かれている。継之助は、自分の心の中に一本の太い木のようなものを持っていて、それもしっかり地に根付いている木だ。その木を、この時代に生きた偉人と言われるような人々と実際にであって、話したり姿、行動を見ることによって、それを肥料にして育てているような感じがある。
本文中の言葉を少しかりると、「自分自身の原則を作り出さなければならない。その原則を探すこと俺の学問の道だ。」と言っている。若い頃から、何か人生の目的のようなもの1つに絞ってやって生きていく姿にとても感銘した。そしてもう一つ継之助の凄いところは、行動力が人並みはずれてあるということだ。
こうしたいのだけどどうしようというような迷いがあまり感じられず、即決をする。これも、日頃からひとつの原理を探して考えぬいているから、瞬時に判断して行動ができるのだ。またこの世の中は自分を表現する場所だとも述べており、物怖じせずに堂々と自分の考えを発言したり、行動に移す態度そのものが彼の生き方を示している。
現代社会を見てみると、このようにはっきりとした、白か黒かいうような生き方をしている人は少ないと思う。なんとなくの考えしか持っていなかったり、後にも転げるようにグレーな生き方をしてみたり、幸せな現代だからこそできるとも言えるかもしれないが、こういう時代だからこそ、逆にはっきりとものを言える人いうのは重宝されると思う。
またこの本に出会ってから、自分の生き方について何か1つの目的を持ちたいと考えるようにもなった。また「自分がどのような人間でありたいのか」ということも自問自答し続けるようになった。継之助の生き方の全てが正しいということは思わないが、非常に感銘を受けた部分を自分の中に取り入れ、自分のオリジナルの生き方の一部分にできたら良いなと思っている。
(20代女性)
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