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読書感想文「とりかえばや物語(田辺聖子)」

「とりかえばや物語」の読書感想文

田辺聖子の「とりかえばや物語」を読んだが、女性はバリバリ働くことが良いのかなと疑問に思った。この物語の主人公、春風と秋月は性格が男女逆で育つ。

女の子らしい男の子秋月、男の子らしい女の子春風、それぞれ男性・女性の性を交換した状態でそれぞれの仕事を持ち過ごすようになる。平安時代ははっきりと性別に分かれて生活をしていたから、この状況はかなり大変なことだったと思う。

しかし、二人共バレずにそれぞれの環境で適応し生活をするので、すごいなとはじめは思っていた。だけど、やはりこの生活が平穏無事に続くなんてことはないのだ。バリバリ仕事をする春風と女の園で落ち着いた生活を送る秋月。はじめのきっかけは春風だと思う。

なんと女のまま結婚して、夫婦関係を築いていくのだ。妻には真面目に対応してくれる夫だと思われ、一見平穏に過ぎていくのだが、同僚の夏雲によってその関係性は変わってしまう。本当にこの夏雲はどうしようもない男だと思う。

はじめは女と思われていた秋月に恋心を抱いていたはずなのに、春風の妻も軽い気持ちで手を出した上、妊娠させてしまう。

その上、春風の正体を知って、春風とも体の関係を持つようになってしまう。その後子供を持つようになるのだが、夏雲の浮気な心は変わらないままなので、結局春風に愛想をつかされてしまう。

春風もこういう結果は分かっていただろうに、男として生きていくことを貫けず、女としてその後生きていくことになる。秋月も同じように、お世話していた女東宮と関係を持ってしまうし、その後男として生きることになった時、かなりプレイボーイな感じになってしまう。

最初から自分の性のまま生きていたら自体は変わっていたのだろうかと疑問に思うが、きっと二人はこの形の方が良かったのだろうなとも感じてしまう。

ただ、やはり女性が男社会で生きていくことは難しく、妊娠出産ということをするのであれば、あまり働きすぎないことは大切なのだろうなと思ってしまう。

LGBTやジェンダーレスについて関心が増えてきたよの中で、男と女、違いはないという世の中だけれども、やはり違いは明確で、それぞれにしかできないことがあるのだと思う。それをきちんと自分の中で理解しなければいけないなと思ってしまう。

(30代女性)

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