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読書感想文「七人の弁慶(森詠)」

「七人の弁慶」の読書感想文

源平合戦で活躍した源義経とその家臣の武蔵坊弁慶の主従愛がテーマとなっているのが新鮮に感じた。義経の一生をテーマにしているのかと当初は思っていたが、武蔵坊弁慶との関係をクローズアップして物語が進んでいく展開は少年漫画のようなワクワクを感じた。

一見、カジュアルな歴史小説なのかと思って読み進めると思い付かないような設定が次々に展開されていった。なので、歴史小説ではなく歴史創作にある程度慣れていると尚楽しめる作品だと感じた。

歴史小説としては珍しく、創作色がとても強かったので登場人物に強い個性が植え付けられていると考えます。そして分かりやすい設定によって彼らの関係性がより明確に表現されているのが、とても面白かったと考えている。

通常であれば考えられない、考えたとしても没になるであろうストーリーと登場人物の設定を貫き通した結果、大河ドラマのような作品とはまた違った面白さが私には感じられた。更に本作品は会話劇がとても多いと思った。

登場人物の掛け合いがとにかく多い作品なので、テンポ良く短時間で読む事が出来たと感じている。例えるならば、アニメーションの台本を読んでいるような会話劇を楽しむ事が出来たと考える。何故なら、難しい言い回しや言葉遣いなどが一切排除されているからだ。

会話が多い作品であっても口調が堅ければ、読む方はひじょうに疲れてしまうものである。しかし、本作品では堅苦しい言い回しを一切排除しているので最後まで読むのが苦痛にならなかった。

つまり、分かりやすい登場人物設定と会話劇が読み手を楽しませてくれているといっても過言ではない。とはいえ、歴史小説ならではの特徴が一切見受けられないとも感じられたのも事実であると。

つまり本作品は良い意味で歴史小説らしくなかったと受け取ってしまったのだ。しかし、何度も読み返していくうちに歴史小説らしくない部分が、かえって誰もが気軽に歴史を楽しめる要素になり得るんじゃないか、と考え直すようになった。

(20代女性)

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