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読書感想文「カラマーゾフの兄弟(ドストエフスキー)」

「カラマーゾフの兄弟」の読書感想文

今年初め、古い友人に久しぶりに会った。彼は、小説を読むのが大好きだ。そのことを思い出し、私はこんなことを言った。近頃面白い小説がなくて、退屈なんだ。面白い小説、何かあると聞いた。

彼は、そんな時こそ、カラマーゾフの兄弟を読むべきだね。小説の最高峰なのだから。俺は何度も読みかえし、そのたびに新たな発見をしていると答えた。ということで、私もカラマーゾフ兄弟全3巻に挑戦してみた。

読破するのに1ヵ月かかった。読み終えてまず感じたことは、とにかく読んだという達成感である。大げさな言い方だが、チョモランマの山頂にたったような爽快感だ。それだけでは、カラマーゾフの兄弟を読んでの感想になっていないと思われるだろう。

しかし、中学生のころ数学のテストで出題された、図形の難解な証明問題が解けた時のような気持ちと言えば、理解してもらえるかもしれない。ちょっとそのことを説明する。

どうしようもない人間のクズの典型である父フョードルとそれとは正反対の息子の一人アリョーシャ。その他多様な登場人物がわけのわからない饒舌な会話を延々と繰り返していく。わけのわからなさの根底にあるのは、キリスト教という宗教の存在がまず考えられる。

なぜここまでアリョーシャは、キリスト教をここまで頑なに信じ、守ろうとしているのか。それがよくわからない。また、殺されてしまうフョードル。ドストエフスキーがなぜここまでこの人物を人間のクズとして設定しているのか。

それもよくわからない。という感じで上巻を読み終えた。わけのわからない小説を読んでも、普通は苦痛なだけだ。しかし、カラマーゾフの兄弟の場合は違った。とにかく読む進めていこうと思った。中巻と下巻を読み進めて行くとわけのわからなさが徐々に薄れて行く。

頭の中に覆っていた霧が、すっきりした青空に変化していくのをバーチャルリアリティーで経験したような感じだった。私が、これまで読んできた小説で味わうことがなかった達成感や爽快感だ。しかし、これだけではカラマーゾフの兄弟を本当に読んだとは到底いえない。

友人のように何度も読み返すことが必要だ。しかも、じっくり考えることが要求される。また、わけがわからないと愚痴りながら読んでいきたい。

(50代男性)

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