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読書感想文「ゼロ-なにもない自分に小さなイチを足していく(堀江貴文)」

「ゼロ-なにもない自分に小さなイチを足していく」の読書感想文①

「なにもない自分に小さなイチを足していく」この図書はサブタイトルにこそ意味があると私は思う。堀江貴文氏の生い立ちから、ライブドア時代、球団、フジテレビ買収騒動、事件による収監、そして現在に至るまでが書かれた本作だが、まず驚いたことは、私が思っていた「ビジネス書」的なものとは違うことだ。
 
前述した通りこの図書には堀江貴文氏の生い立ちが事細かに書かれているわけであるが、読む前の私の勝手な印象として、「どうせお金儲けの話だろう」というものであった。これは世間一般の堀江氏に対するイメージに近いだろう。しかし、内容はそうではなく、如何に彼が私達と同じただの人間であるか、ということが書かれている。
 
そのただの人間である彼が何故、あんなに波乱万丈の人生を送っているのか。その答えが「ゼロに1を足していく」ことである。彼は本作の中で次のように記述している。「物事の出発点は掛け算ではなく、必ず足し算でなければならない」この言葉に私は非常に感銘を受けたことを覚えている。
 
それまでの私はやりたいことがあっても、イマイチ行動に移すことが出来なかった。それをやるためには才能や能力が必要であると勝手に思い込んでいた。つまり、能力が無い自分に何かを、行動や出来事を掛け算しても何の意味も無いと思っていたのである。
 
しかし、本作がそのような、掛け算的なものの考え方を改めさせてくれた。そもそも何もないところに、「ゼロ」に何を掛けてもゼロには変わりないのである。しかし、足し算は積み重ねである。様々な出来事の積み重ねで自分というものを形成していくのだ。それを知った瞬間、私はもう我慢する事はやめようと思った。
 
やりたいことは何でもやろうと。自分がやりたい様々な事を積み重ねて、これからは自己を形成していこうと。飽きたらすぐにやめて次に行く。やりたいことはすぐにやる。やめてもそれはマイナスにはならない。そのように考えると、どんな出来事も自分のプラスになっていると思え、毎日が楽しくなる。
 
また、この図書には堀江氏の仕事に対する思いも書かれている。「やりがいとは見つけるのではなく、自らの手で作るものだ」この言葉は数年後社会に出て働く事となる私にとってとても大きな一言となる。私は塾講師のアルバイトをしているが、どうしても仕事と思って面倒臭いと思いやる気をなくしてしまうこともある。
 
しかし、この言葉により考え方を大きく転換して、如何に効率よく授業をまわすか、如何に効率よく作業を終え時間ぴったりに上がれるか、ということをゲーム感覚で意識してみることにした。そしたらこれが以外と面白く、ダルいな、と思っていたアルバイトが楽しくなってきた。
 
そして、楽しいと思えると、次は生徒の成績をもっと上げるにはどのようなことが出来るか、何が必要か、等を考えることができ、それ自体が楽しくなってくるのである。このように、この図書は私の心に響き、私の考え方自体を大きく変える一冊となったのである。
 
(10代女性)

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