読書感想文「オリクスとクレイク(マーガレット・アトウッド)」
「オリクスとクレイク」の読書感想文 「あの時こうだったら」「こうしていたら」と、あり得ないことと分かっていながら正解の自分を探す様は、私の胸に強く響いた。主人公スノーマン(ジミー)は己の人生の読み返しを何度も行う人物だ。...
「オリクスとクレイク」の読書感想文 「あの時こうだったら」「こうしていたら」と、あり得ないことと分かっていながら正解の自分を探す様は、私の胸に強く響いた。主人公スノーマン(ジミー)は己の人生の読み返しを何度も行う人物だ。...
「アバター」の読書感想文① 人間の執着っていうのは恐ろしい。時には周りから見れば小さな事であっても、本人にとっては人を殺めてしまっても成し遂げたいほどの事にまで及ぶこともあるからだ。地味で不細工な女の子、阿武隈川道子、通...
「ハワイイ紀行」の読書感想文 今思えば、恥ずかしいことに、当時はハワイ好きといっても単純にワイキキ好きに過ぎず表面的にしかハワイの事を知らなかった。近年、ハワイを訪れるたびに開発が進み、人が増え、変化し続けるワイキキとそ...
「モンスター」の読書感想文 この物語は美容整形によって人生を変えていく女性の物語である。実は私は、以前美容整形外科で看護師として勤務していたため、物語の中で美容整形のことがどのように扱われ、捉えられているかに興味をもち、...
「風が強く吹いている」の読書感想文① 私はとにかく箱根駅伝が好きだ。特に陸上をやっていたわけでもないし、ジョギングだってこの先もすることがなさそうだ。だけど、正月には必ず箱根駅伝のテレビ中継を観る。1月、2日と3日は半日...
「初恋」の読書感想文 この本との最初の出会いは、読書好きの私の母の部屋の本棚にあったこの本を、10代の頃の多感な私が手に取ったことがきっかけであった。しかし、若い頃はこの本の内容がよく分からず、単なる思春期の少年の初恋の...
「あしながおじさん」の読書感想文① 孤児院で育った女の子が書いた何気ない作文が、孤児院の評議員をしているあしながおじさんの目にとまり、大学へ行かせてもらうことになる。ただし、月に一度おじさんに手紙を書くのが条件なのだ。そ...
「わたしはホロコーストから生まれた」の読書感想文 歴史を振り返ると悲しい気持ちになる。人間の歴史は戦争の歴史だからだ。戦争によって航空機やロケット技術などの科学的発展を是とする考えもわからなくもないし、自国の主権を正当化...
「赤頭巾ちゃん気をつけて」の読書感想文 ストーリーは、学校群制度導入直後の都立日比谷高校を舞台にして展開する。主人公は学校群制度導入前の端境期に、受験エリートとして日比谷高校に入学した男子高校生で、受験を控えている。主人...
「空飛ぶタイヤ」の読書感想文① 父親の跡を継ぎ、運送会社を経営する赤松徳郎が、ある日、自社のトレーラーのタイヤが脱落し近くを歩いていた母子に激突し、死傷する事故を起こしたことを知るところから始まる物語である。 タイヤがは...
「その日のまえに」の読書感想文① この本との出会いは女優の桐谷美玲がおすすめしていたから読んでみたかった、というただ単純なものだった。「その日」と言われて思い浮かぶのはなんだろうか。友人や恋人と過ごす日、家族や大切な人の...
「フェイバリット・ワン」の読書感想文 私は上昇志向の強い人間は嫌いだ。自分のなりたいものになるためになり振り構わない人間が嫌いだ。だが、夏帆は好きだと思った。今まで毛嫌いしてきたこの類の人達も、もしかしたら好きになれるか...
「学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話」の読書感想文① 子供を持つ多くの親達が、この本を手に取る理由はただ一つ、「この本を読んで真似すれば、わが子も慶應大学、いや東京大学も夢じゃないかもしれ...
「にじいろガーデン」の読書感想文 世界にはいろんな形の愛がある。ありふれた言い回しだが、この本を読むとそう感じた。登場人物は主に4人である。一人は、一人息子をもつ泉。泉の息子の草介。そして、泉のパートナーとなる千代子、そ...
「その時までサヨナラ」の読書感想文 仕事人間の男に子育てができるのか、と言うよくありがちな父と息子が心通わせていく物語。逆に言うとオチが分かっている物語。しかし分かっているのに泣けてしまう。はじめてこの作品を読んだのは独...
「サーカスナイト」の読書感想文 物語は、みちるという娘を持つ女性さやかの話である。さやかは、旦那を亡くし、その後二世帯住宅で義母と義父、そして娘と暮らしている。お互いに、義理の関係でありつつも自立していて自由ながらも、ど...
「西部戦線異状なし」の読書感想文① 何ということだろう。生き延びて帰った懐かしい我が家より、戦場の方が心が休まるとは。戦場では過去、何千万人という兵士が、故郷に帰りたいと思いつつ異国で骸と化したのに、彼らが死の間際まで欲...
「おちくぼ姫」の読書感想文 「おちくぼ姫」は、日本のシンデレラストーリーだ。西洋のシンデレラと似ているけど、ちょっと違う。とても個性が強い。それは、作者である田辺聖子氏のおちくぼ姫への思い入れの強さでもある。人柄が穏やか...
「赤毛のアン」の読書感想文① 「赤毛のアン」は、孤児院育ちの赤毛でそばかすのある女の子、アン・シャーリーの成長物語である。物語はアンがマリラ・クスバート、マシュウ・クスバートの兄妹の家庭、グリーン・ゲイブルスに間違われて...
「沸騰都市」の読書感想文 この「沸騰都市」という本はNHKスペシャルを本に書き下ろしたものである。このNHKスペシャルの大きなテーマは「沸騰都市」のタイトルの通り、国家ではなく、エネルギーでまさに沸騰しているかのような「...
「クローバー・レイン」の読書感想文 本屋さんで物色していたら、ある1冊の本の表紙が目に留まった。それが「クローバー・レイン」だった。ポプラ社の表紙のデザインは、編集者であることがわかる物になっている。タイトルロゴにまで丁...