読書感想文「にじいろガーデン(小川糸)」

世界にはいろんな形の愛がある。ありふれた言い回しだが、この本を読むとそう感じた。登場人物は主に4人である。一人は、一人息子をもつ泉。泉の息子の草介。そして、泉のパートナーとなる千代子、そして千代子の娘の宝。泉と、千代子はお互いに人生に対して絶望というような悲しさ苦しさ、そんな状況の時にお互いを見つけ出し惹きつけ合った。

 

泉は旦那ともうまくいかずに草介と暮らしていた。千代子はまだ学生だったが泉と一緒になることを決めチュピチュ村に駆け落ちをして生活をはじめる。そして、千代子は元彼の子を妊娠していることが分った。そして、その生まれた子を宝と名付け4人での生活が始まった。この家族は世間から見ればマイノリティーである。

 

 

 

だけど、生活そのものはマイノリティーだろうが、そうじゃないだろうが一緒だということだと私は思った。一緒にご飯を食べ、働きそして1つ屋根の下で共に支えながら生活するのだ。そのささいな日常が描かれている。ただ、日常のなかの苦しさや切なさ、やるせない思いも描かれている。

 

私は草介が特に印象に残っている。草介はとても優しい。しかし優しすぎると、この世界では時に生きづらいこともあるのだと私は感じた。大人になるにつれ、草介の良さが世間というもので擦り減らされていく。現実世界でも、誰でも大人になるにつれてそういったことは大なり小なりあるのかもしれない。

 

しかし、純粋すぎる、魂が綺麗な人ほど苦しんでしまうことがあるのが何とも切ない。そういった、心が綺麗な人が生きやすい世界にもっとなって欲しいと私は感じた。

 

4人が旅行に出かけるシーンがある。それは、ささいな日常とはまた違い華やかでとても4人が幸せそうなところがとてもよかった。だけど、その後千代子が病で亡くなり、草介が事故にあう。ラストの方はとても心が苦しくなる。それでも、泉と宝には毎日を生きるしかなくて、それがなんとも私はものすごく感情移入してしまい泣いてしまった。どんなに、悲しかろうが日常はあって生きて行かなくてはならない。それが人生なんだと感じてしまって切なくなった。

 

(20代女性)

 

 

 

 

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