読書感想文「食堂かたつむり(小川糸)」

この作品は2010年に柴咲コウ主演で映画化されている。テレビCMを見てこの作品を知り、映画は観なかったものの原作が気になっていた。ここ数年、作者の小川糸さんをエッセイでお見かけすることが多い。物を大切にし、丁寧にシンプルに生きることを心がけているようで、共感できる部分も多い。作者が愛用している調理器具を購入してしまったくらいだ。そんな中、図書館で偶然この本を見かけた。せっかくだからと、借りて読んでみた。結論から言うと、買わなくて良かった。お金を出して買っていたら、きっと後悔したと思う。頑張って最後まで読みとおしたが、読み返すことはなと思う。冒頭から、予想外の展開だ。現実にはなかなかありそうもない。でも、まぁ主人公と同じ女性として共感できる部分もあり、読み進めた。読み進めるにしたがって、だんだん面白くなってきた。仕事が順調に行き始めるとうれしくなったし、それぞれのお客のエピソードにほっこりしたり、憤慨したりした。途中の料理の描写は読んでいてとても気持ち良かった。

きっと自分が料理が好きだからだろう。料理人のすごさもわかり、自分は食堂は経営できないとも思った。作者の料理に対する情熱が端々から伝わってきた。ただ、料理の描写が丁寧すぎて、長すぎて、だんだん飽きてきて、最後の豚のと殺シーンやハトの調理シーンなど、物語としてはクライマックスの部分を読み飛ばしてしまった。根底に流れる、主人公とその母の物語は、自分も母となり、母の気持ちも、主人公の気持ちもわかる部分があるので、部分的に感情移入はできたし、途中泣いたりもした。けど、共感はできなかった。なんだか、説教臭く感じてしまったのだ。料理に関してもそう。食べ物を食べる=命を頂く。作者は伝えたいことがあって、この本を書いたのだろうが、作者の気持ちが強すぎて、本を読みながら作者が見えてきて、読書を楽しめなかった。結末は主人公が前を向いて終われたので良かった。

 

(30代女性)

 

 

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