読書感想文「お気に入りの孤独(田辺聖子)」
「お気に入りの孤独」の読書感想文 「お気に入りの孤独」は、夫婦という男女の関係性に満ち足りていない女性の気持ちにしっくり来る小説だ。主人公は風里(ふうり)。仕事で出会った涼(りょう)と結婚した。涼は資産家の息子だが、風里...
「お気に入りの孤独」の読書感想文 「お気に入りの孤独」は、夫婦という男女の関係性に満ち足りていない女性の気持ちにしっくり来る小説だ。主人公は風里(ふうり)。仕事で出会った涼(りょう)と結婚した。涼は資産家の息子だが、風里...
「最後のひと葉」の読書感想文 人の優しさというものは、表面からはわからない。この本を読み終えた後、そんな言葉が自然と胸に浮かんできた。古いアパルトマンに住む、貧しくとも夢を諦めない芸術家達。彼らの生活は決して楽ではないが...
「レゾンデートルの誓い」の読書感想文 「レゾンデートルの誓い」は前作「レゾンデートル祈り」の続編である。物語は安楽死が認められている世界だ。安楽死には2つの種類があり、難病や年齢など身体的な状態が悪い人が取得できるRES...
「死刑にいたる病」の読書感想文 連続殺人鬼の榛村大和の異常性が面白い。話が淡々と続いていくのだ。そう淡々と淡々となのである。この淡々とした話の流れが不気味なのである。連続殺人鬼である榛村大和は、9件の事件で死刑判決を受け...
「ティファニーで朝食を」の読書感想文 この本と出会ったきっかけは本屋さんでこのティファニーでという言葉を見たからである。この本の紹介だが、これは自分の中では恋愛物語である。夢見る男女の人生を共にしていく相手を選んでいると...
「ボクたちはみんな大人になれなかった」の読書感想文 90年代の甘くせつなくほろ苦い、青春の日々を描いた作品。過去の痛痒いを思い出をふと思い出して、引っ掻いてみると痛みはいささか薄れ、気持ち良さが上回ってくる。日々の忙しい...
「テスカトリポカ」の読書感想文 本作は国境を越えて暗躍する闇ビジネスをテーマとしたクライムサスペンスで、残酷でグロテスクな描写の多い小説でした。正直なところ、私はもしこの作品が映像化されたとしても、怖いので見ないと思いま...
「流転の海 第9部 野の春」の読書感想文 「流転の海」私が、この本に初めて出合ったのは、もう30年以上前の事です。当時は、通勤電車の中で本を読むのが普通の時代で、私も片道30分の電車の中で読書をしていました。と言っても、...
「汝、星のごとく」の読書感想文 子どもと一緒に図書館に行く機会が増え、良い機会だし私も読書を趣味にしようと借り始めたのがきっかけで、そこから私の読書習慣が始まった。初めは読んでみたい本など特にない状態だった。 著者のこと...
「翼の翼」の読書感想文 主人公は専業主婦の有泉円佳が主人公である。息子翼くんに小学2年生のときに全国一斉実力テストを受けさせ、思った以上にテストの点数が良かったので塾に通わせることになる。翼君は塾にもランクがあり、一番上...
「答えは市役所3階に 2020心の相談室」の読書感想文 自分が抱えている全ての悩みを他人に相談する難しさを実感させられた作品だった。確かに、家族や友人などの近しい関係より、カウンセラーなどの他人の方が相談しやすい内容もあ...
「天国にいちばん近い島」の読書感想文 この小説の存在はは私の母から教えてもらった。昭和44年発行の小説だが、当時は爆発的人気だったらしい。まだ海外旅行がそんなにメジャーではなかった時代、ましてニューカレドニアなんて孤島に...
「君のクイズ」の読書感想文 この本を読んで、結果が出るか分からないのに、ひたむきに努力する姿の素晴らしさと怖さを感じた。人はどうしても短期間で結果を欲する生き物なので、「短期間で高収入」、「難関試験をわずか数か月で合格し...
「運転者 未来を変える過去からの使者」の読書感想文 ため息をつきながら読みました。この小説の通り、現代社会を生き抜くのはとても大変で主人公の気持ちに感慨深いものがありました。私も保険の営業職を長年してきましたので、同じ職...
「クスノキの番人」の読書感想文 私がこの本を手にとったのは、本当に偶然でした。東野圭吾先生の作品は年に1~2作品ほど読むのですが、本当になんとなくコンビニに行って単行本コーナーを見てみるとタイトルがやけに印象に残って即購...
「辞令」の読書感想文 「このやろー!」これが私がこの小説を読んで思わず声を出してしまった時の台詞です。ファミリー企業の悪党のやることに心の底から憎しみが湧きました。現代の世の中は大手企業に限らず、中小企業、零細企業でもア...
「偽姉妹」の読書感想文 本当に血の繋がった姉妹だからこそ、本音で物が言えなかったり、よそよそしく接しなければならないということは、私自身も経験があるので、大変共感できました。 その点、主人公は容姿に恵まれていないものの信...
「ハサミ男」の読書感想文① 簡単にこの本のあらすじを書くと、「ハサミ男」と呼ばれるシリアルキラーが次のターゲットを調査していたところ、そのターゲットが自分と同じ手法で殺されているところを発見し、ターゲットがなぜ殺されなけ...
「連続殺人鬼 カエル男」の読書感想文 タイトルとカエルの可愛らしいイラストの表紙に惹かれて借りました。カエル男というだけでかなり不気味さが増します。無残な死体の描き方がリアルすぎてドキドキハラハラ、気持ち悪く想像するだけ...
「フラナリー・オコナー全短篇」の読書感想文 アメリカ南部という重層的な歴史や慣習を持つ土地と、キリスト教信仰がベースとなって織り成す、気持ち悪くほの暗く辛らつなラインナップである。南部ゴシック然とした短篇集はまさに時間を...
「図南の翼 十二国記」の読書感想文 『十二国記』は子供の頃アニメを見ていたが、今度新刊が発売されると聞いて既刊を読むことにした。『十二国記』はタイトルの通り12の国がある世界の中華風ファンタジーだ。 この『図南の翼』では...