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読書感想文「君のクイズ(小川哲)」

「君のクイズ」の読書感想文

この本を読んで、結果が出るか分からないのに、ひたむきに努力する姿の素晴らしさと怖さを感じた。人はどうしても短期間で結果を欲する生き物なので、「短期間で高収入」、「難関試験をわずか数か月で合格した」などの謳い文句に騙され、自分にもそれが出来るだろうと思って真に受けてしまう。

確かに、ほんの一握りの人達は本当に成し遂げたであろうが、残念ながら世の中の大半は凡人であるため、短期間ではなく継続的に努力するしかない。しかし、努力は素晴らしいことであると同時に残酷なものであると感じる。

ある目標に向かってひたむきに努力を積み重ねる姿は素晴らしい反面、頑張っても結果が出なかった時の残酷さは半端ない。特に一番きついのが、自分が一生懸命頑張って成し遂げたことを言い方は悪いが、一部の天才たちが少しの努力で自分以上の結果を出してしまうことだ。

その時に初めて自分の平凡さと自分が今までしてきた努力に疑問を感じてしまい、最終的には、今まで自分が努力してきたことを否定してしまう。ただし、自分と他人の境界線がはっきりしている人は、「自分は自分、他人は他人」と割り切れるので、他の人が結果を出そうが、自分が今できる最善のことを継続して積み重ねていく。

それを積み重ねた結果、最終的には一部の天才たちを追い抜くパターンもある。以上のことから、結果を出すより継続して物事に取り組む方が難しいんだなと感じた。また、自分を肯定してくれる存在を見つける難しさも感じた。

作中では「クイズ」が自分の人生を肯定してくれる存在として描かれているが、自分にとって、それが「読書」であればいいなと思う。自分の人生に思い悩んだ時に、「この本を読んだから、自分の人生が好転した」、「本を読むことで、一時的に現実逃避することが出来た」など現実と上手い具合に向き合うことができたら、及第点ではないだろうか。

しかし、理想と現実で考えると、そういう場面に直面した時、読書をする余裕があるかは分からない。もしかしたら、何も手に付かずに人生もがいてるかもしれない。それでも、「読書」は本当に好きなので、人生が辛くなった時の支えにしていきたい。

(20代男性)

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