感想ライブラリー

読書感想文「蜜柑(芥川龍之介)」

汽車の外、3人の子供が叫ぶ暮色の空に、窓から飛び出した蜜柑の色が輝く。それはまるで太陽のようであった。霜焼けした手に三等切符を握り締めた少女はしっかりと風呂敷を抱えて座っていた。これは芥川龍之介の短編、蜜柑のワンシーンで […]

続きを読む

読書感想文「長い長い殺人(宮部みゆき)」

長い長い殺人を読んでまず最初に興味を惹かれたのは、登場人物たちの財布が語り部となっていることである。10人の主要登場人物の財布は、自分の主人に起きている出来事を部分的に把握している。部分的に、というのは、財布がどこかに仕 […]

続きを読む

読書感想文「家族ゲーム(本間洋平)」

本間洋平著「家族ゲーム」を読んだ。この小説は映画化、ドラマ化もされているが、私がこの話を最初に知ったのは1983年に放送された長淵剛主演のドラマである。型破りな家庭教師が、どうしようもない中学生を遠慮なく殴って取っ組み合 […]

続きを読む

読書感想文「田村はまだか(朝倉かすみ)」

「選書サービス」というのに興味を持ち、ネットで検索した時に出てきたひとつが、この本だ。小学校のクラス会の三次会のバーに一人遅れてくる、田村、という男の子を、同級生たちが昔を振り返りながら、ただひたすら待つお話。学生時代に […]

続きを読む

読書感想文「恐怖箱 青森乃怪(高田公太)」

もともと怪談に興味があった私は動画などで済ませていたのだが、ある時怪談ライブにいった打ち上げの際、そこで知り合った方から小説を薦められた。しかし飽き性かつ途中でやめられない性格の私にはとてもじゃないが、一冊読むのはなかな […]

続きを読む

読書感想文「果つる底なき(池井戸潤)」

本格ミステリー作品で謎がどう解けて行くのか気になり、どんどんと読み進められる作品であった。親友がアレルギー性ショックで死んだ事から始まり、そこに絡み合う人々の思いが、どことなく終始重たい雰囲気を作っている。が、主人公が親 […]

続きを読む

読書感想文「夜の庭師(ジョナサン・オージエ)」

きれいだけれど少し暗めの装丁にひかれて読み始めた。主人公である少女とその弟を中心に話が進んでいくのだけれど、最初は本のタイトルである「庭師」が出てこなかったので、どんな内容の話になるのか想像がつかずにワクワクしながら読ん […]

続きを読む

読書感想文「Tengu(柴田哲孝)」

柴田哲孝によるUMA(未確認生物)をテーマにした小説である。彼のUMAを題材にしたものは1991年に「KAPPA」が発表されており、本作はそれに続くもので、第9回大藪春彦賞を受賞している。また、このあと、「DANCER」 […]

続きを読む

読書感想文「父からの手紙(小杉健治)」

父親がいない麻美子と刑期を終えて出所したばかりの圭一。二人の話が交互に繰り返されて行きます。この話はどこで交わるのか・どう繋がっているのか・どういう関係なのかなどが、気になって気になって、どっぷりはまっていくような感じが […]

続きを読む

読書感想文「七つの会議(池井戸潤)」

この7つの会議を読んでみて小説は短編集といった形になっており最終的にそれぞれの短編集の中での話が最後に繋がっていくという内容である。今回の小説では中堅企業である会社を舞台として登場人物である八角と同じ部署で働く上司の坂戸 […]

続きを読む