〜名作が見つかる読書感想文の掲載サイト〜

読書感想文「ハサミ男(殊能将之)」

「ハサミ男」の読書感想文

簡単にこの本のあらすじを書くと、「ハサミ男」と呼ばれるシリアルキラーが次のターゲットを調査していたところ、そのターゲットが自分と同じ手法で殺されているところを発見し、ターゲットがなぜ殺されなければならなかったのか調査をしていく、といった内容になっています。

今回は、この本の素晴らしい点をいくつか挙げて感想を書いていきます。この本の素晴らしい点は二つあります。まずは、トリックの巧みさという点です。

この物語の中でそこまで難しい叙述トリックや言葉遊びの類は使ってきません、むしろ文章の中で目立ったトリックは少ないほうだと思います。しかし、それでも物語を成り立たっていて、ほかの推理小説に引けを取らないインパクトを持っています。

また、事件以外の場面でもしっかりインパクトのある仕掛けを用意していて総合的なインパクトはものすごいものとなっています。

現代では、少し都合の良すぎるトリックで作品の質をごまかさしている推理小説などがありますが、この本は丁寧な物語の展開で完成度が高く現代の小説以上のインパクトを持っている、読み終わってみて作者に脱帽したくなる気分でした。

二つ目の良い点は、情景描写の言葉選びがとにかく的確であるという点です。本当に的確で、簡単に状況を想像することができ、物語をより深く楽しむことができます。しかし、遺体の状況を説明する場面など、その表現が的確過ぎて、少し気持ちの悪くなることがあるかもしれません。

そのため、グロテスクな表現が苦手な方には、少し注意が必要かもしれません。それでも、この表現力の高さは先ほど書いた丁寧な物語の展開をより素晴らしいものにしていることは確かで、少しグロテスクであってもこの作品の素晴らしさに傷がつくことはないでしょう。

以上のことから、この本は推理小説をあまり読まない人にお勧めできるものだと思います。もちろん、推理小説好きの方にもお勧めできる完成度で、まだ読んだことのない方にはぜひ一回は読んでもらいたい本の一つです。

(10代男性)

Audibleで本を聴こう

Amazonのオーディオブック「Audible」なら、移動中や作業中など、いつでもどこでも読書ができます。プロのナレーターが朗読してくれるのでとっても聴ききやすく、記憶にもバッチリ残ります。月会費1,500円で、なんと12万以上の対象作品が聴き放題。まずは30日間の無料体験をしてみよう!!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA