読書感想文「麦本三歩の好きなもの(住野よる)」

今まで住野よるさんの作品は全て読んできたのだがここまで主人公に魅力、親しみを感じる作品は初めてだ。物語は主人公、麦本三歩の日常と好きな物、事を絡めた話が12話構成となっており、小説を読んでいる途中に飽きてしまう私でもスラスラと読む事ができた。
 
また三歩の言葉や行動が心の声に正直でしっかりやる時はやる、だらける時はだらけるなど「自分もこんな生活を送ってみたい」、「三歩が友達にいたら絶対楽しい!」と思えるキャラクターとなっている所も印象深かった。
 
そして小説のタイトルにもなっている三歩の好きなものが大きく分けて12個登場するわけだが、「麦本三歩は歩く事が好き」などのごく普通な事から、「麦本三歩はブルボンが好き」など少し変わった角度の意見もあるため、読んでいる最中はもちろん読み終わった後も三歩の好きなものを意識して生活させてしま話となっていた。
 
私が特に印象的な場面は三歩があまり仲の良くない職場の女性の先輩に好かれるために「私を三歩として扱ってくれている。だったら、無関心じゃないってことだ。ならばあとは好きになってもらうだけ。三歩だから好きになったと思ってもらうだけ。なんて素敵な可能性だ。」という目標を掲げ、この目標、考え方を、楽観的だ天然だ間抜けだ、などと呼ばれようと構わない。
 
夢への道の前では些細なことだ。と考える場面だ。この考えは夢に向かって頑張っている全ての人に共通するスローガンのようにも思えるとても心に響く言葉だと考える。夢のためにはどんな無謀な目標だろうとやる価値はある。このような前向きでどこか尊敬できる考えは三歩らしいと言う言葉がふさわしいと考える。
 
物語内では三歩がただ前向きに生きているというだけではなく、悩みや葛藤も描かれているのでより三歩の人間性を感じる事もできる。誰しも三歩のように前向きに生きる事はできないかもしれない。しかし、この小説「麦本三歩のすきなもの」には三歩のように生きる選択肢を与えてくれ、自分の好きなものを改めて考えさせる力がある。
 
(10代男性)
 
 
 

麦本三歩の好きなもの
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住野 よる
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