「よるのばけもの」の読書感想文①
「君の膵臓をたべたい」の作者の第三作目ということで読んでみたのだが正直に言うと個人的に一作目のほうが面白い作品だと感じるものである。内容としては普段は普通の人間である少年が夜になると突如真っ黒な化け物になってしまうというものだ。
なぜ少年が夜になると化け物の姿に変身してしまうのか、何か決まったことがあるのかなど色々ツッコミどころはあるのだが作中でもその点は解決されないのでほっておいたほうがいい問題である。この作品では主にこの化け物に変身することのできる少年と学校ではいじめられている少し変わった少女の掛け合いによって話が進んでいくものである。
少年はある日夜の学校に忘れ物を取りに行ったときに少女に出くわしてしまうのだが実は少女はお昼の学校ではクラスでいじめられ、自分の時間を持っていない分を「夜休み」で補っていたのだ。だが学校での二人の関係はいじめられるもの、いじめるものには変わりないが日を重ねていくうちに少年の心情は少しずつ変わっていくのである。
虐められてもなお笑っている彼女が少年は少し怖いと感じていくのだがその時に夜の学校に侵入するというクラスの友達の話を耳にした少年は少女の大事な「夜休み」の時間を守ろうと行動を起こすのだが私にはその少年の中途半端な優しさは偽善そのものではないかと感じたのだ。
「夜休み」を一緒に過ごしていくうちに少年は何を思い少女のために行動したのかどういう気持ちなのか複雑で理解しがたいものである。そして終盤あたりに物語が進むと少女がいつも笑っている理由「怖いと思うと笑ってしまう」というものを知ることになるのだが、そこから少女が学校でいつもそんな表情をしていることに気づき、
今まで自分がしてきたことや少女が感じていた感情を知ってやっと少年は今まで合わせてた周りの人たちからずれていくのである。きっとこの二人がいるクラスの人たちも心の中では罪の意識はあるんだとは思うが集団になると人は弱い生き物なので周りからずれることを恐れずれているものを全員で虐めていかなければ生きていけないみじめな生き物なんだと感じたのだ。
(10代女性)
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