読書感想文「よるのばけもの(住野よる)」

君の膵臓をたべたい作者の三作目ということで読んでみたのだが正直に言うと個人的に一作目のほうが面白い作品だと感じるものである内容としては普段は普通の人間である少年が夜になると突如真っ黒な化け物になってしまうというものだ

 

なぜ少年が夜になると化け物の姿に変身してしまうのか何か決まったことがあるのかなど色々ツッコミどころはあるのだが作中でもその点は解決されないのでほっておいたほうがいい問題であるこの作品では主にこの化け物に変身することのできる少年と学校ではいじめられている少し変わった少女の掛け合いによって話が進んでいくものである

 

少年はある日夜の学校に忘れ物を取りに行ったときに少女に出くわしてしまうのだが実は少女はお昼の学校ではクラスでいじめられ自分の時間を持っていない分を休み補っていたのだだが学校での二人の関係はいじめられるものいじめるものには変わりないが日を重ねていくうちに少年の心情は少しずつ変わっていくのである

 

虐められてもなお笑っている彼女が少年は少し怖いと感じていくのだがその時に夜の学校に侵入するというクラスの友達の話を耳にした少年は少女の大事な休み時間を守ろうと行動を起こすのだが私にはその少年の中途半端な優しさは偽善そのものではないかと感じたのだ

 

休み一緒に過ごしていくうちに少年は何を思い少女のために行動したのかどういう気持ちなのか複雑で理解しがたいものであるそして終盤あたりに物語が進むと少女がいつも笑っている理由怖いと思うと笑ってしまうというものを知ることになるのだがそこから少女が学校でいつもそんな表情をしていることに気づき、

 

今まで自分がしてきたことや少女が感じていた感情を知ってやっと少年は今まで合わせてた周りの人たちからずれていくのであるきっとこの二人がいるクラスの人たちも心の中では罪の意識はあるんだとは思うが集団になると人は弱い生き物なので周りからずれることを恐れずれているものを全員で虐めていかなければ生きていけないみじめな生き物なんだと感じたのだ

 

(10代女性)


 

 

 

 

そもそもまさにタイトル通りに主人公は夜になると化物になるのだが、それが異常でも何でもないところから話が始まるところに最初驚いた。化物になるという一種の特殊能力について、一応主人公は隠しているのだがあまりにもナチュラルに受け入れてしまっていて、そのまま話が進んでいくのだ。

 

主人公の日中は普通の中学生、夜は化物という生活が交互に表現されていく作中で気付いたのは、昼と夜とで主人公の一人称が変わることだ。昼は「俺」夜は「僕」として話が進んでいく。最初は誤植かとも思った。誤植なんていうのは比較的発生するし、初版なら尚更だ。でも読み進めていく中でそれは故意だと知る。

 

主人公のクラスにはいじめが起きている。無視から始まり、バイキン扱い、物を投げる等結構ないじめだ。対象は一人の女子なのだが、主人公のクラスには「いじめられる側」にいかないように必死な人間がたくさん出てくる。ちょっとしたタイミングでいじめられている女子を関わろうものなら「そっち側」に回ってしまうという恐怖から保身の為誰でもできる無視といういじめに加担している。

 

そのなんとも言えない利己的な人間臭さと、後ろめたさが入り混じった「いじめられている方が悪い」のバランスがとても面白く感じた。主人公も同様にいじめに加担していているのだが、夜の学校でその少女に会ってから少しずつ心境が変化しはじめ、最終的に日中の教室で少女に挨拶をするところまで「やってしまう」のだから驚いた。

 

やってしまうと書いたのは読んでいるうちに、自分もクラスの一員になっているような錯覚に陥っていたからだ。教室内の「正しいこと」とされているものに反発した主人公の今後を思わず憂慮せずに言われなかった。現に挨拶をした瞬間さっきまで楽しげに話していた友人は主人公を侮蔑して離れていってしまった。

 

世間的には主人公が正しいはずなのだ。なのにこの居たたまれなさはかなりの後味の悪さがある。ただ、主人公はそこに関して後悔は全くしていないし、何より挨拶をしたその日から主人公は夜に化物になることなく寝られるようになるというのは、少女と共に主人公自身も少し救われたのではないかと思った。

 

(20代女性)


 

 

 

「夜になると、僕は化け物になる。」真っ白いページの真ん中にこの一文があり、次ページから物語は始まる。なかなかにインパクトのある出だしだと思う。読み手はこの一文で作者の世界観に引きずり込まれどう言うことなんだろうと読み進めていくのだ。実際この一文にある「夜に」「化け物」「僕」というキーワードだけで良いヒントだ。

 

主人公は表紙の小さな女の子ではなく、夜になるとばけものになる男だ、と整理できる。世界観への誘致と説明を同時に済ませているのだ。内容はシンプルな現代ファンタジーかと思いきや凄惨ないじめが躊躇なく描写される。このご時世全うな学生時代を送ったことがあればいじめの点や学校生活の面は共感せずにはいられないだろう。

 

主な物語はクラスぐるみのいじめが行われるなか周りの空気に従いながらもその不当性に違和感を感じる主人公は夜になるとばけものとなり暗い学校でいじめの対象と会話をしていく。主人公は思春期の感情の爆発をこれまた子どもらしい背伸びした理性で押さえ込む。

 

その結果が化け物への変身なのかは明記されないが、人間関係の気持ちの悪い違和感を表現するには十分に成功している。私自身も幼い頃の制御できない感情を自身のなかには化け物がいるのではと考えたことがあった。それだけにこの話には存分に引き込まれた。しかし思えばこの環境とも言える気持ちの悪い違和感は人同士の関係がある限りどこにでも存在している。

 

クラブ、会社、家庭、公園や特定の場所に定期的に集まればそこにはもう存在しうるのだ。誰もが二面性を持ち仮面を被る。ここでは笑顔、あちらでは真顔。それぞれの仮面に舞台がありことなる常識がある。しかし仮面は被る本人がいないと仮面ではない。そしてその本人にも常識と考えはある。

 

この本で語られるのは誰もがもつ仮面と、常識と、それぞれの違和感だ。いまある感情も培った常識という仮面も決して無視できるものではない。自分自身の感情と仮面の考えが大きく異なるとき人は化け物になるのかもしれない。

 

(20代男性)

 

 

 

 

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