28歳から30歳の女性5人が主人公の連作短編集だ。まず目次を見て笑うと思う。一つ目の短編の目次が「尻の穴に座薬」だからだ(笑)。それだけでインパクト大で、引き込まれてしまった。どの短編も基本的に、仕事と恋愛に悩む女性の話で、この説明だとよくある感じを想像すると思うが、全然違うのだ!
仕事をしている描写はあるものの、真面目に働いている雰囲気や、キャリアアップを目指している雰囲気は全くない。表現するなら、「とりあえず仕事している」感じ(笑)。恋愛の描写も生々しいと言うか。気になる男性をいかに落としたかの肉食女子的なテクニックや、付き合っている人といかに結婚へ持っていくかの打算など、主人公の心が素直に書いてある。
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また著者である宮木あや子さんの作品に共通していて、私個人的にお気に入りの点は、主人公の女性の口が悪いことである(笑)。友達同士の遠慮のないコミュニケーションとしても、実際にこういう言い方をしていたらキレられるか、疎遠にされるかだよなぁと思うほどだ。しかし、それさえも許されるくらい、信頼して付き合っているのだとも感じられる。
ギリギリのラインで表現しているのがうまいなぁと思う。あと、実際に思ってても「これを言ったらマズいよね」という言葉も、スパッと迷いなく女性たちが話すので羨ましく、ある意味代わりに言ってもらって気分でストレス発散にもなってる。この本の中で爆笑したシーンが、3本目の短編「太陽にぽえむ」にある。
この短編に主人公・壺井が母親に薦められた男性とデートをし、最後にホテルの部屋に行くだが、段々ムードが出てきて、いざ、その時!相手の男性の発言が驚き。タイトルの「ぽえむ」からなんとなく想像できると思うが、その想像のはるか斜め上を行っている(笑)。多分、当てられる人はいないと思う。
その後、この驚きを居酒屋で話している時に、女友達がうまく返していて、そこも楽しい。全体的にぶっ飛んでいるのに、女性の口調や仕事のシーンは、なぜかリアルに感じられる。そこが不思議だ。必ず笑えるので、凹んでいる時や、やる気の出ない時に読んでいる。
(30代女性)
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