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読書感想文「絹の変容(篠田節子)」

「絹の変容」の読書感想文

私は篠田節子さんの絹の変容を読んだ。この小説の舞台は東京の八王子である。主人公は絹を作る絹屋の息子。自分の実家を継ぐのを渋っていたが、もう30歳に近くなり妻子をもらい渋々実家を継ぐことになった。時代的に絹からポリエステルの生地に移って会社はその波に運良く乗り切り、細々と経営することが出来ていた。
 
しかし、主人公は倉の中で今まで見たことがなかった絹を発見してしう。その手触り感触、今までの生地とは別格でこの絹はどうやって作られたのだろうと彼は疑問に思った。彼は父親にその絹の事を聞いてみた。詳しく聞くと、かつてこの家に嫁いだ祖母が嫁入り道具として持ってきた物だとわかったのだ。 
 
彼は早速祖母の出身地まで足を運ぶことにした。彼の頭の中にはこの絹を商品化して一儲けしようと思っていたからである。祖母の出身地についた彼は絹の出所を散策しはじめた。しかし、どこを探しても桑畑や手掛かりにたどり着けなかった。ふと休憩所に寄ったとある家にこの絹について話を聞くことになる。
 
そこに住んでいた女性はその絹について自然に育った桑の葉を食べた蚕の糸で作られたこと。これは特別な行事にしか作られないこと。結婚式の嫁入り道具など。この蚕は数が少なく、この蚕を発見した人達が山から持ち帰った途端不幸なことが起こり、彼らは死んでしまったこと。さまざまなことを聞かされた。
 
しかし、主人公の彼はそんな話を聞かず、蚕がいる山に足を踏み入れた。よく葉の下を見ると蛹になった蚕が数十匹いるのが認識できたのだ。彼はそれらの蚕と桑の葉を持てるだけ持って八王子に帰宅する。ここから彼の絹作りが始まった。珍しい蚕の糸を作るために科学者を雇い、専門の研究所を自分達の財産である山を売って建設する。
 
最新のバイオテクノロジーを駆使してなんとか丈夫な蚕を遺伝子操作で、作り上げ世界に認められる絹を作って行った。その絹を作る過程で人間の手遺伝子操作された蚕のが生々しく、人や家畜を襲う有様が今我々が生きる人間社会にも行われているのではないかと読み終わったあと気持ち悪くなった。
 
(20代男性)

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