「スイッチを押すとき」の読書感想文
私はこの本を見て学んだことがある。それは『現代社会の正しい生き方』だ。なぜ人は命を持ってしまったら最後まで生きなくてはならないのか、この世界に自分は必要だろうか、この本を読んでいるとそんな疑問など不釣り合いなのが瞬時にわかる。
このストーリーの中の子供たちはある程度の年頃になると親と離され隔離された牢獄のようなところに閉じ込められ、自分の命を自分の意思で止めることが出来るスイッチを渡されるという、設定は至ってシンプルなもの。耐えきれなくなればスイッチを押して命を経てばいい、それは簡単な話だが大人になるまで生き延びている主人公達はどうしてなのか。
それは彼らの中にある一つの希望がまだ消えていなかったからだ。私がこの本を読んで一番最初に思いついたのは自殺をする子供たちがこの本を読んだら減るかもしれないということ。
主人公たちは親と一緒にご飯を食べること、友達と遊ぶこと、人と話すこと、大声で笑うこと、私たちからしたら日常に溢れるようなこの行為が彼らにとっては『実現させたい希望』として胸の中にあるのだ。
だからこそそれを実現させたい、させるために生きよう、生き延びていたらいつか叶うかもしれない、そんな純粋で綺麗な願いをもっているからこそストレス環境の中生き延びてこれた理由なのだ。人間は生きていると欲が出るのはしょうがない事で、まして現代社会の中ではもっともっと欲が強くなる一方だ。
だが、見失いかけている現代人にもう1度当たり前に生活できている幸せを感じてもらいたい。私はそう思った。生きていくために必要な最低限の環境と些細なところに幸せを見いだせるだけで人は生きていけるということだ。それらは現代人が完全に忘れているといえる課題のようなものではないだろうかと思う。
私もこの本を読んで、考えを改めさせられたところがある。今日は嫌なことがあった、美味しいものが食べれなかった、上司に怒られたから仕事に行きたくない、これらは全て当たり前に生活がてきているからこそ出てくるものなのだと再認識させられた。今後もこの純粋な気持ちを忘れずに生活していきたいと思った。
(20代女性)
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