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読書感想文「キリン(山田悠介)」

「キリン」の読書感想文

この本を読んだ時最初に思ったこと、それは「こんなことが実際にあるのか」ということ。精子バンク自体は日本にも存在するが、その精子をオークションで売り出すというイベントはない。この世界にも優秀な子どもを産みたいという女性は数多くいるだろうが、その女性たちの願いに応えたようなイベントを存在させた本である。
 
人によって、出会いがなく出産には縁がない女性や、セックスレスな夫婦、子どもを作る前に離婚してしまった夫婦、いろいろな状況にいる女性がいるだろう。だが、子どもが宿るということは運命であると私は考える。
 
皆それぞれ「こういう子どもが欲しい!」、「こういう子に育って欲しい!」などという願望はあると思うが、その子がその願望通りになるとは限らない。そのような点から、子どもが自分の希望通りに育つというのはとても面白く、興味をそそるストーリーである。
 
オークションのシーンから女性の強さ(男性にはない気の強さみたいなもの)が感じられ、改めて、出産が出来るのは女性なんだと思った。そして、描かれている主人公の女性のように、一つ達成したら更に上を求めたり達成すると性格が強くなったり立場が上になったりするというのも人間の特徴がよく描かれていると思った。
 
ストーリーの結論から言うと、結局は親が優秀だから子どもも優秀になるということは絶対ではないわけで(もちろん中には親に似て頭が良かったりスポーツ万能という子もいるが)、それぞれの努力次第でいろいろな才能を伸ばすことが出来るのである。
 
オークションに行き精子を高額な値で落札した女性の考えが私は理解できない。結局思い通りの子どもが生まれるとは限らないのに、多額のお金を飛ばすということはものすごくもったいないお金の使い方であると考える。優秀な成績を出す(それぞれの才能を伸ばす)ということは、まわりの力(家族や学校の先生など)も必要である。
 
その子の努力ともともと持っている才能、周りの協力が組み合わさることで良い成績が出ると思う。実際にはあり得ない精子バンクの黒い闇がこの本で描かれていて、読み進めていくにつれてその闇が露わになってきてとても面白かった。また、キリン君の純粋な性格がキリン君のお母さんとは真逆の性格を描いていて、その対比もすごく印象に残った。
 
(20代女性)

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