読書感想文「愛に乱暴(吉田修一)」

愛に乱暴、という本を読んで私は自分の夫婦生活や周りの様々な夫婦問題について考えさせられた。この本を借りる前は、どんな内容なのかテーマは何なのか全く調べなかったため、題名を見たときは恋愛小説か何かだろうと思った。

 

しかし、実際は恋愛小説ではなくて正直ちょっとびっくりした。そして私や私の身の回りに起きうるであろう、出来事が出てきてさらに驚いた。夫婦の関係、嫁と姑の関係、同居問題、子ども、不倫、愛人、それぞれの人の居場所などなど、私たち既婚者にとっては身近な問題がたくさん出てきた。

 

読み進めるにつれて、これは主人公であるお嫁さんに共感してしまうなあと感じたり、このご主人はだめだと感じたり、本当に自分のことのように考えてしまった。まず、夫婦の関係である。かつては愛し合った二人なのに、すっかり冷め切って、ただの同居人のような存在になっている。

 

実はこんな状況の夫婦は少なくはないと私は思っている。本の中に出てくる夫婦の日常生活を読んで、私は将来自分もこうなってしまうのではないかと不安に駆られた。お互いに関心を持たなくなり、一緒に何かすることもない。夫が望んでいた子どもにも恵まれたなかったようで、夫はすっかり冷めている。

 

妻は何だか自分の存在の意味がわからなくなっているような感じであった。将来もし自分がこうなってしまったら私はどうするだろうか。妻なのに、愛してもらえず、家にいる意味も感じられなくなったら、私は離婚するのだろうか。いろいろ暗いことを考えずにはいられなかった。また、不倫と愛人というものは本当に悪なのだろうかと考え込んでしまった。

 

 

 

この本を読んだのは今年に入ってからで、ちょうど今年は芸能人や有名人の不倫が騒がれた年であった。確かに、不倫は良くないことだとは思う。それは誰だって思うだろう。しかし、不倫をした人が完全に悪いとは言えないきがする。物語中で妻も夫もすっかり冷め切っていて、空気のような存在になってしまっていた。

 

そんな雰囲気と関係の中に妻と一緒にいた夫は嫌気がさしてしまったのだと思う。不倫は絶対にしてはいけないと思うし、一人の女性として夫には他の女性と関係を持って欲しくない、とは私も思う。しかし、不倫は必ずし不倫した本人だけの問題ではないのかもしれないと今回感じた。

 

この本を書いた吉田さんがどのような思いで、またテーマを何にして書いたのか私はあえて調べなかった。もしかしたら吉田さんの意図と私がこの本を通して感じたことは違うかもしれない。しかし、少なくとも本を読んで、私は周りの夫婦だけでなく、私たち夫婦もこうなる可能性はあるのだと危機感を持った。

 

そして、普段から夫とコミュニケーションをよくとり、いい関係を築いていきたいと改めて思った。

 

(20代女性)

 

 

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