読書感想文「国盗り物語(司馬遼太郎)」
「国盗り物語」の読書感想文 国盗り物語は前半が斉藤道三、後半は織田信長が主人公の歴史小説である。斉藤道三は美濃のまむしと呼ばれ、一介の浪人から一代で美濃の国主にまで上り詰めた、下克上の典型の人物である。別名のまむしのイメ...
「国盗り物語」の読書感想文 国盗り物語は前半が斉藤道三、後半は織田信長が主人公の歴史小説である。斉藤道三は美濃のまむしと呼ばれ、一介の浪人から一代で美濃の国主にまで上り詰めた、下克上の典型の人物である。別名のまむしのイメ...
「ダイイング・アイ」の読書感想文 東野圭吾は情景や人の感情の記述が詳しく、物語にいつも引き込まれる。ただ、その内容は深刻なものであっても最後は救いのあることが多い。 このダイイング・アイも無意識だろうかそのつもりで読んで...
「AXアックス」の読書感想文 作者のファンであり、久々に出版されたので、直ぐに購入しました。どの様な内容なのか、少し検索して知っていましたが、読み初めて直ぐに引き込まれる氏の手法にはまた驚かせながらも、見えそうで見えない...
「日の名残り」の読書感想文 ノーベル賞作家カズオイシグロの代表作のひとつ。執事がつかの間の休日をもらい自動車旅行の過程で過去の日々の記憶を紡ぎだしていく…。昔の同僚に会いに行く旅という行動と、記憶を遡行させていくという行...
「僕はロボットごしの君に恋をする」の読書感想文 主人公の健が、自分がAIロボットであることを知った時はどんなにショックだっただろう。話が進むに従って一喜一憂する姿からは全く予想できず、終盤に入り意表を突かれてしまった。&...
宮尾登美子さんの作品は時代を背景に強く生きる女性を描いた長編が大好きだ。この「朱夏」は敗戦の混乱の中、想像を絶する苦難の荒波にもまれながら生き抜くヒロインの物語である。著者自身、満州に暮らした経験が随所に散りばめられてい...
まず、この本を手にとったのは舞台が珍しいと思ったからだ。舞台は近未来のバンコク。タイだ。あまりどころか全く小説でタイが舞台のものは見聞きしない。本書は海外SF小説であり、石油が枯渇した近未来を時間軸としている。そんな未来...
冒頭から太宰治直筆の肖像画の話などが出てくるため、津軽を舞台とした旅情ミステリーかと思いきや、社会派ミステリーでもあり、ちょっと酸っぱい恋愛もありの贅沢な小説であった。浅見光彦シリーズではかなり高確率で事件に絡む女性と浅...
交際している彼は信頼のおける勤務先で働いていて、同棲していて、完全に信用しきっていて。そろそろ親にも紹介して次のステップへと思い結婚を切り出したとき彼が乗り気ではなくてスムーズにいかなくて。私との結婚が嫌なのか。周りがど...
今話題の仮想通貨の社会を描いたSF作品です。2015年に世に出た作品ですが、まさに今の2018年が舞台になっています。公平の名の元に引き上げられた税金は日本を階級社会に分断してしまいます。正社員になれてまっとうな人生を生...
自分の中で、なぜか「青春小説」に分類されていた本シリーズの最新刊、主人公がいつの間にか私より年上かつ、年長の息子がいて、その設定にまず驚いた。しかし、主人公「私」の本に対する情熱は変わらず、出番は少なかったものの円紫さん...
インドネシアの文学を始めて読んだ。インドネシアといってもどこにあるかわからないブリトゥン島が舞台の小説である。どこにあるかは、わからなくても風景の描写、特に貧しい漁村や海辺の町の様子はすごく細かく、東南アジア特有のにおい...
「マリアビートル」の読書感想文 物語は、東京から仙台までの一台の新幹線の中で展開していく。一つのトランクを巡るてんとう虫、みかん、れもんの攻防と、中学生である王子と木村のやりとりが大きな2つの主軸となり、それらが互いに絡...
賢治の父、宮沢政次郎は岩手県花巻で先代から営む質屋の主人である。学校の成績は優秀だったが、父親から学才は家業に必要ないといわれ、学問を追及することは頭になかった。境遇は違えど、私の父は経済的理由から大学進学をあきらめ、自...
「ペンギン・ハイウェイ」の読書感想文 「お姉さん」のような人間に会ってみたいと思った。だがお姉さんは人間ではなかったので難しいのかもしれない。お姉さんはボーイッシュな口調ながらも女性らしさを保っていて、とっても魅力的だっ...
「蜜姫村」のタイトル通り、現実の日本には存在しない、異世界を思わせる村の物語だった。幼女が「きはち…」と誰かを探す冒頭が、ふわふわとファンタジックで、同時にどこか不安定さを孕む情景に、私は既視感を覚えた。「佐々木丸美だ」...
「箱根の坂」の読書感想文 箱根の坂は、北条早雲の一代記である。北条早雲、作中では伊勢新九郎はが都から伊豆に向かい、やがて伊豆を切り取り、相模をうかがうまでの話である。北条早雲という人物、斎藤道三とともに下克上の体現した人...
主人公は三十代の女性で離婚歴がある方で、いろいろと問題が起きたアパートマンションの部屋を転々と住み続ける仕事をしている。この本の紹介記事を新聞で読んでこの仕事について興味を持ち、読むに至った。こういう仕事が本当にあるのか...
「魂萌え!」の読書感想文 自分自身今年40代最後の年を迎えるにあたり、老後の事を凄く考えるようになり、そんな今、まさにという感じで出会った本でした。あらすじを読んで、ああ、自分が行く道だ・・・と思い、読み始めましたが、身...
善と悪とは何だろうと考えさせられた。人間には、善と悪の心がある。そのバランスは人によって様々だろうが、この二つはお互いに関係しあっている。もしこの物語のように、完全な善や完全な悪を体現する人物がいるとしたら、それは物語中...
「検察側の罪人」の読書感想文 この検察側の罪人というタイトルは最初はどういう意味なのか分からなかった。しかし最後まで読んで見てその意味がよく分かった。私は将来法曹につきたいと思っている。最上の言葉で感銘を受けた言葉がある...