インドネシアの文学を始めて読んだ。インドネシアといってもどこにあるかわからないブリトゥン島が舞台の小説である。どこにあるかは、わからなくても風景の描写、特に貧しい漁村や海辺の町の様子はすごく細かく、東南アジア特有のにおいが感じられる書き方である。貧しい村にできたつぶれてしまいそうな学校に通う、個性的な子供たち。
一人ひとり変わった性格をもっているが、勉強をがんばってやっていきたいと思う気持ち、学校に行かせたいがなかなかそれもままならない貧しい両親、今の日本でここまで学校に希望をもって通えるだろうか?と思った。昔の日本がそうであったように、発展途上の国だからこそだと思う。親になって特に感じるが、子供には将来への希望を持って学校に通ってもらいたい。
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また、先生も子供に良い影響を与える存在であってほしいと思う。学校で勉強したくてもできない天才の少年、首都ジャカルタやバリだけが経済発展し、地方の名前もわからない場所との貧富の差、小さな島の貧しい学校でがんばって勉強したり、祭りなど文化的なことを楽しみながら、決して環境としては恵まれていないけど、企業がもっているお金持ちの学校の子供との学業での勝負に勝ったというところは、力が入った。
音楽や匂い、風景など目に見えるほど細かい描写で、かなり入り込んで一気に読みました。映画化もされたほど、インドネシアではベストセラーになったということですが、まだインドネシア文学ってあまり知られてないのがとても残念である。がんばった少年は大人になり物語は人生と同じで続いていく。バリとジャカルタ以外のインドネシアの小さなこの島を見てみたいと思うほどである。
インドネシア版『24の瞳』といえなくもないが、この小説のほうがもっと切ないと思う。そんなに昔の話ではない、今もインドネシアのどこは同じようなことがあるのではないか?と思われるから、自分の子供と同じような歳の子たちが、このような思いで勉強していると思うと切なさが増す。読んだことないのはもったいない物語である。
(40代女性)
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